その他
業務ソフトの「次世代版」ラッシュ
2006/12/18 14:53
週刊BCN 2006年12月18日vol.1167掲載
新OS対応、そして消費税改正へ
来年以降は、中堅中小企業(SMB)市場向けに基幹系製品を提供する業務ソフトウェアベンダーから大型の新製品ラッシュになりそうだ。従来のバージョンアップ版とは様相が異なり、「次世代版」をうたう大幅な改定であるのが特徴だ。
マイクロソフトの新プラットフォームに対応した製品としては、オービックビジネスコンサルタント(OBC)が年商1000億円の大企業までをカバーする次世代ERP(統合基幹業務システム)を出す。来年の早い時期に、他社に先駆け登場しそうだ。同社の和田成史社長は「マイクロソフト環境が10年に一度の改定。完全に64ビットネイティブになる」と、言語環境を一新した「奉行シリーズ」をリリースし、従来のターゲット層より大規模の企業を狙う。
大塚商会の100%子会社、OSKは来年度(2007年12月期)中にも、主力基幹系ソフト「SMILEシリーズ」の全面改定版を出す見通し。宇佐美愼治社長は「今後、長期にわたり再開発する必要がないほどの本格的な製品」と、同シリーズが発売から10年が経過したのを機に、大幅に見直す。対応するデータベース(DB)も、これまで大半を占めていたマイクロソフトの「SQLサーバー」に対し、中堅企業以上の要望が増えているオラクルDBとIBM「DB2」の比率を高めるとされている。
OBCとOSKは、ここ数年、競合他社が開発の遅れなどで伸び悩むなかで、ERPの導入数を大幅に増やした。そうした好調時の大改定となる。一方、ピー・シー・エー(PCA)は「公益法人向け製品は、予想以上に伸びた」(川島正夫・会長兼社長)が、主力ERP「Dream21」は今年、「思ったほど伸びず、横バイだった」と嘆く。そこでPCAは、来年度(08年3月期)以降に、開発陣を今まで以上に増員、「Dream21」を本格的なERPに再構築して、巻き返しを図る。
業務ソフトベンダー各社が、この時期に主力製品を「次世代版」にするのは、中堅企業以上に「内部統制」強化の波が押し寄せ、既存製品では未対応の文書管理やログ管理、認証・承認などのワークフローをERP内に機能として搭載する必要性が高まったことに理由がある。ターゲットのすべてが、「金融商品取引法」の対象企業ではないが、企業システムの「全体最適化」という観点で、オフコンやメインフレームを移行する動きが活発化していることに呼応しているようだ。
また、当然のことだが、OSや開発環境を含め、マイクロソフト製品が久しぶりに一新されたことが大きく影響している。OBCの和田社長は「新OS『Vista』などで、つながる・広がる世界を実現できる」と、2年半にわたり、マイクロソフトの新環境に対する基礎研究を重ねてきた。これに対し、応研の原田明治社長は「早い時期に・NETフレームワークや64ビットに完全対応した製品にする」と、来年後半以降に次期バージョンを出す計画で、急ピッチで開発を進めている。
各社は、競合他社をけん制してか、「次世代版」の具体的な構想の明言を避ける。ひとつ明確なのは、“特需”を期待する時期が「内部統制」に関連するタイミングではなく、来年の参議院選挙以降の「消費税改正」をにらんでいるということだ。
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