富士ソフト（野澤宏社長）はソフトウェア開発の収益力を高める。2007年度（08年3月期）は主力のソフト開発事業の営業利益率を10％に高めることを目標に掲げる。プロジェクト管理の強化やエンドユーザーへの営業を増やすことで利益率の改善を目指す。

　不採算案件防止に向けたプロジェクト管理を徹底し、課題となっていた不採算案件の再発防止に努めた。この影響もあり、06年度は販売管理費が前年度比2割あまり増える見通し。エンドユーザーへの営業強化などの施策も販管費を増やす要因になった。

　プロジェクト管理を強化するための投資が06年度で一段落することもあり、来年度はソフト開発事業で「利益率の改善」（野澤社長）が見込める。同時に業務アプリケーション分野でエンドユーザーからの直接受注を増やすことで利益改善を加速させる考えだ。

　同社のソフトウェア開発は組み込みソフトと業務アプリケーションに大きく分かれる。組み込みソフトの大半はメーカーなどから直接的に受注しているが、業務アプリケーションは富士ソフト単体ベースで7割近くがメインフレーマや大手SIerを経由した間接的な受注が占めていた。

　将来的には業務アプリケーションのエンドユーザーからの直接受注比率を単体ベースで5割程度まで高める。エンドユーザーとの接点が増えれば自社の強みを生かした提案がしやすく、付加価値の高いビジネスの進展が期待できる。並行してプロジェクト管理のシステム化、省力化などで販管費を低減させ、収益力を高める方針だ。