SIerのジャコネット（鄭東鎬社長）は韓国人SE・プログラマを活用して受注を伸ばしている。SE・プログラマ1人あたりの1か月の費用を示す人月単価を日本人技術者より割安に設定したことが受注増に結びついた。旺盛な需要に応えるために昨年11月、同じく韓国人エンジニアを中心とするSIerと資本提携を行いマンパワーを増強、事業拡大に力を入れる。

　現在の社員数は韓国人エンジニアをメインに約80人。提携先も合わせれば120人規模になる。引き合いが増えていることから「ここ1－2年で年商10億円が視野に入っている」（中川尚三・取締役副社長）と自信を示す。最も安い人月単価は45－65万円に設定。同クラスの日本人エンジニアより2割近く安い。5年後には社員数300－500人に増やし、年商30－50億円を目指す。

　韓国では若年層の就業支援の一環として日本向けのITエンジニアの育成が行われている。ジャコネットは日本市場を目指す韓国のITエンジニアを積極的に採用。国内のソフト開発需要の取り込みに力を入れる。「カントリーリスクの大きいオフショア開発に比べて、より確実にコストを削減できる」と韓国人エンジニア活用のメリットを話す。

　なぜ韓国人なのか。日本で長期間、安定的に仕事をこなすには「経済的、文化的に似ているのが理想」と中国やインドに比べて環境が似ている韓国に分があるという。2002年の創業以来、顧客企業から勤怠に関するクレームはゼロ。腰を据えて仕事に取り組むまじめな勤務姿勢が売りだ。

　今後はベースとなるソフト開発事業を拡大しつつも、ソフトの設計などより付加価値の高い上流工程の仕事を増やすよう努める。またIT先進国である韓国のパッケージソフトやITサービスを国内市場向けに販売することも検討している。事業の柱を増やしていくことで収益力を高めていく考えだ。