連結会計・経営システム開発・販売のディーバ（森川徹治社長）は、従来の中心顧客である大企業に加え、大企業の子会社や未上場の中堅企業も対象とした主力の連結会計パッケージソフト「DivaSystem」の改良を進めている。日本版SOX法の施行をにらみ、計画データや実績データを統合的に管理し、正確な情報に基づく迅速な経営判断を行うことで、企業が開示する財務情報の信頼性を担保しようとする動きが中堅企業などでも高まっているためだ。同社は2月8日、ヘラクレス市場へ株式を上場する。財務基盤を安定させることで、競合他社に対抗する製品やサービスの開発を加速できるとしている。

　「DivaSystem」は、制度上求められる「制度連結」処理や連結経営上必要となる「管理連結」をサポートしている。販売実績は450社以上で、東証1部上場企業のうち時価総額上位50社の44％で利用されている。

　国内では、決算発表早期化や内部統制強化の動きから、一連の決算業務を「より迅速に、より正確に」行うためのさまざまなサービスが求められている。同社は「DivaSystem」と既存のERP（統合基幹業務システム）とのデータ連携やExcelの利便性を生かしたオプション製品などを拡充してきた。中山立・開発本部本部長は「大企業グループのアドオン開発で得たノウハウをパッケージ化し、より広範な企業グループに適用する」という。

　昨年は、各個別会計システムから「DivaSystem」へデータ連携させる汎用インターフェイスモジュール「DivaSystem Dx3」のほか、Excelを利用し親会社と子会社間でデータ収集を双方のオンライン上で実現できる「EIGS」や、「DivaSystem」のデータをExcelシートに出力するレポーティング製品「Formula－X」などの提供を開始した。企業の財務担当者は使い慣れたExcelでデータを集計し、簡単にレポートを作成できる。これらの効果もあり、中堅企業向けERPとのアライアンスも強化している。

　中山本部長は「さまざまな視点での情報分析が必要になる管理会計をよりスムーズにするため、データベース『SQLサーバー2005』などで処理を高速化する。また、一昨年末に業務提携した仏カルテシスの事業計画や予算策定、予測、シナリオ分析のためのBPM製品を生かし、ユーザー企業の連結経営をいままで以上に効率的にすることを支援する」と、事業計画のプランニングと企業データの分析・活用の二本柱を本格的に立ち上げていく方針だ。