富士通ビジネスシステム（FJB、鈴木國明社長）は商品・サービスメニューを拡充する。来年度（2008年3月期）は新たに10種類程度の商材を開発することを目指す。基幹業務パッケージシステムやITマネジメントサービスなど既存の主力商材と体系的に連携させることでビジネスの拡大につなげる。

　08年度までの中期経営計画では利益拡大の施策として「自社ソリューションの徹底強化」を柱の1つに位置づけ、この一環として商材開発を推進する。自社開発のシステムに他社の有力システムを組み合わせて提供するアライアンス型の事業にも力を入れる。

　新規ビジネスを立ち上げる中核組織「ビジネス企画統括部」を昨年6月に新設。ソフトウェアのサービス化を念頭に置いたオンデマンドサービスやインターネットを活用したマーケティング手法のウェブ2.0、ロングテールマーケティング、ビジネスブログなど新しいITの潮流を自社のビジネスに取り込む方策を研究してきた。

　この成果として内部統制の強化をオンデマンドで支援するサービスや企業向けの情報共有ツールとしてのビジネスブログの新商材を相次いで発表。今年2月から本格的な販売を始めた。

　前者は内部統制の強化を手がけた実績をもつ会計士など専門家と組んで内部統制に必要な文書の管理手法や業務テンプレートをオンラインで提供する。後者は自社開発の中核システムにビジネスブログで実績のあるシックス・アパートや文書管理に強い日本オラクルの製品と組み合わせた。

　内部統制強化の支援サービスは必要であれば専門家からアドバイスも受けられるようにした。会計士に個別に依頼するよりも割安であることなどから「引き合いは非常に強い」（金沢昌一・マーケティング本部ビジネス企画統括部企画部長）と手応えを感じている。来年度末までの目標受注件数は約200社、同事業での売上高は約30億円を見込む。内部統制の基準に到達するまでの一通りのサービス期間は1社あたり約9か月を予定している。

　ビジネスブログでは、顧客企業ですでに使われているグループウェアや電子メールの情報を集約し、情報共有をいっそう促進させるツールとして売り込む。グループウェアやメールは業務を遂行する情報基盤として使われるのに対して、ブログは「よりラフで気軽なツール」として普及が見込まれる。日常のちょっとした“気づき”や“仕事のコツ”などを形式ばらずに共有できるのが特徴だ。

　オンデマンド型の内部統制支援、ビジネスブログなど新規商材をきっかけにして、FJBがすでに持つ基幹業務システムやITマネジメントサービスなど主力商材の商談の活発化にもつなげるなどの相乗効果を狙う。来年度はこうした新規商材を10種類ほど開発し、かつ既存のビジネスと一体感をもったサービスメニュー体系に整備することで収益拡大に結びつける。