その他
マイクロソフトのERP 大手 SIerが前向き姿勢 自社製品との 連携始める
2007/04/23 14:53
週刊BCN 2007年04月23日vol.1184掲載
大手SIerがマイクロソフトのERP(統合基幹業務システム)の販売に前向きな姿勢を示している。顧客ターゲットの選定や自社製品との連携、テンプレート開発などの下準備を着々と進める。しかし、ERPはすでに成熟市場であり、鈍い立ち上がりになる可能性も否定できない。SIerが販売する既存のERP製品との補完関係や、マイクロソフトが強みとするオフィスソフトやデータベースソフトとの相乗効果をどこまで出せるかがポイントになりそうだ。
日立システム 中小企業のカバー率高める 日立システムアンドサービス(日立システム、中村博行社長)は、ERPの「Dynamics AX」を商品ラインアップに加える方針を示す。これまで日立製作所のERP「GEMPLANET(ジェムプラネット)」などの販売に力を入れてきたが、中小企業の領域などは十分にカバーしきれなかった。Dynamicsシリーズは中小企業によりマッチするとみられていることから、「既存製品を補完することができる」(石井清・執行役)と判断した。 すでに販売を始めている顧客情報管理システムの「Dynamics CRM」では、医療器具卸業向けに焦点を当てて営業活動を展開しており、今年第1四半期(4-6月期)にも、「いくつかの商談がまとまる」とファーストユーザー獲得の手応えを感じている。医療器具卸業向けでは日立システムが独自に開発した販売管理・財務会計システムの「Aptage(アプテージ)」の販売実績が多くあり、今後は「Dynamics CRM」との連携を促進させることで“補完関係”を強めていく考え。 CRMの導入効果を一段と高めるためにBI(ビジネスインテリジェンス)との連携にも取り組む。専用のBIツールを用いる方法だけでなく、エクセルなどのオフィス製品による経営指標の分析ができるようなシステム提案を行う。ERPやCRM、データベース、オフィスなどマイクロソフト製品で揃えればデータの互換性が高まる。エクセルなどオフィス製品に慣れ親しんでいるユーザーも多いことから、製品同士をどう組み合わせるかもポイントになる。 しかし、ERPやCRMはともに成熟市場であり、後発組のDynamicsのビジネスは、「急速に立ち上がらないのではないか」(別のSIer幹部)という見方も一部にある。自社ですでに同様の製品を持っているSIerも少なくない。日立システムでは当面、既存の品揃えを補完する位置づけでDynamicsを捉える。拡販部隊を設けて懸命に売り込むというスタンスではなく、「顧客満足度を高めるための品揃え拡充の一環」として、提案内容に盛り込んでいく方針だ。 オフィスやデータベースとの密接な連携などDynamicsの強みが顧客に十分理解され、かつSIerがこれまで販売してきた既存のERP製品などとの補完関係の構築が欠かせない要素となる。 JBCC 自社ソフトとAXのセット販売開始 日本ビジネスコンピューター(JBCC、山田隆司社長)は、マイクロソフトのERP(統合基幹業務システム)「Microsoft Dynamics AX4.0」日本語版にJBCCのウェブ対応印刷支援プログラムとBI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションを組み込んだセット製品を、日本語版が発売される6月に同時提供する。日本特有の商習慣であるドットプリンタの印刷帳票などに対応した。 JBCCのマイクロソフト関連の売上高は、2006年度(07年3月期)に約7億3000万円。08年度(09年3月期)には、こうした組み合わせ販売を伸ばすことで12億円にまで拡大させる計画だ。 今回のセット製品は、ブラウザから帳票にダイレクト印刷ができるウェブ対応印刷支援プログラム「PrintPro for Web」と、簡単にデータ分析できるBIソリューション「WebReport」をAXに標準システムとして組み込み販売する。AX向けプリンティングのスタンダード(事実上の業界標準)とするため、AXを販売する予定のSIerなどを通じたチャネル販売などを積極化する。 通常、外資系ベンダーのERPやAXで打ち出すバーコード付きの請求書や納品書などは、リーダ/ライタで正確に読み取れる精度の高い印字をするのが難しい。しかし、同社のセット製品ならば「在庫管理やたな卸し、受発注などで利用するコード(1次元バーコードやQRコードなど)を印刷でき、自社の書式に応じたフォームを簡単に作成できる」(内田裕之・ソフトウェア事業部.netビジネスセンター主査)と、フォームにかかる開発コストを低減でき、外資系ERPの弱点であるコード問題もカバーできるという。 JBCCの顧客には、IBM製のサーバー「System i5」シリーズの導入企業が多数あるが、「これとは別の新規市場を『Dynamics』シリーズで開拓する」方針だ。 昨年9月に発売したCRM(顧客情報管理)製品の「Dynamics CRM」では、同社初の「Web Report」と組み合わせたユーザーシステムが3月に稼働した。他のマイクロソフト販社と連携して、自社ソフト製品群と組み合わせ幅広いユーザー企業の獲得を目指す。
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