チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのインターナショナル本社のエリック・ウォルフ氏（セキュリティプロダクトマネージャー）が来日した。同氏は統合脅威管理アプライアンスUTM－1を含め、セキュリティ製品のロードマップを作成した責任者。UTM－1の現状と今後について聞いた。

──UTM－1の引き合いは。

　UTM－1は既存ユーザーからの引き合いが多かったが、同時に新規顧客の需要も増えた。この製品は中堅企業に的を絞っている。中堅では、大企業と同じニーズがあるものの予算が限られていて、すべてのセキュリティコンポーネントを一人の管理者が担当する方向にある。このような状況下では、多くの集中管理を可能とするコンポーネントが必要になる。こうしたニーズに合致したコンポーネントとして提供している。

──現在の課題は。

　伝統的にエンタープライズに焦点を当ててきた経緯がある。FORTUNE誌が取り上げる有力企業100社の100％がわが社の顧客、またFORTUNE誌の500社に関しても99％が顧客だ。潜在的な顧客からすれば、価格が高いというイメージがある。そのイメージを払拭するため、パートナー教育や中堅企業にアプローチできる新たなパートナーを探している。わが社は唯一、FORTUNE選定の有力500社と同レベルのセキュリティを提供できるユニークな立場と考えている。

──日本市場をどう見ているのか。

　日本市場は大変重要だ。その現れとして、英語のウェブページや資料を翻訳したのは唯一、日本語だけだ。個人的な見方だが、日本市場は他の市場よりも伸びる。そのために必要とされる具体的な機能があるのだが、その一つが言語に依存しないフィルタリングだ。実際にテストでは成果が出ているため、まもなく実現されるだろう。

──将来のあるべき姿は。

　先の買収によって当社のスタンスは明確に示すことができた。われわれは「シングルポイントオブコンタクト」を掲げている。顧客が必要としているセキュリティの要素をすべて満たす会社になりたい。わが社は常に新しい製品や機能の開発をしている。買収した製品の完全な統合に関してはしばらく時間がかかるとみている。