その他
きっとASP 「SaaS屋台」の貸し出しを開始
2007/08/27 21:10
週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載
「『SaaS屋台』を貸し出します」--きっとエイエスピー(松田利夫社長)は来年1月、国内で流通している既存ソフトウェアをSaaS(Software as a Service)型で即サービス提供できるという米ジャムクラッカー社と同社の製品を融合させたプラットフォーム(基盤、「SaaS屋台」)の提供を開始する。通信キャリアやISP(インターネットサービスプロバイダ)などサービス事業者に貸与するほか、企業向けにもシステム統合製品として販売。システム提供側と企業側のSaaS利用を一気に促進する基盤として注目が高まりそうだ。(谷畑良胤(本紙編集長)●取材/文)
サービス事業者と企業向けにも SaaSアプリを即配できます ■材料調達だけで屋台完成 きっとASPのSaaS基盤「きっとアプリケーション・サービス・プラットフォーム(K─ASP)」は、世界のSaaS型のサービス事業者が利用する米ジャムクラッカー社のSaaSプラットフォーム製品「Pivot Path(ピボット・パス)/JSDN」を中核に、パッケージソフトやWebベースのアプリケーションをサーバーベースで配信するオンデマンド・サービスツール「GO─Global(ゴーグローバル)」や「AppStream(アップストリーム)」を融合させて提供する。 松田社長は「屋台と鍋、コンロ、まな板を提供し、各プレイヤーは材料を調達して料理すれば、すぐに店舗(屋台)を持てる仕組み」と、“ソフト即配(SaaS)屋台賃貸”と銘打ち売り込むという。 「Pivot Path/JSDN」は、SaaS型でアプリケーションをサービス提供するためのコンポーネットとして、シングルサインオンやアクセス管理、ユーザー管理、課金・請求管理などの機能を持つ。英テレコム会社のブリティッシュテレコム(BT)や豪通信キャリアのテルストラなどがすでに導入し、国内アプリケーションを集めて実際にユーザーに提供を始めている。 こうした海外のサービス事業者では、主にWebベースのアプリケーションを企業などへ提供中。ただ、日本国内の場合は、Webベースでなくパッケージ型のソフトが高いシェアを占めている。パッケージ型からSaaS型で提供するためにWebベースへ改編する作業に時間と投資がかかるという問題がある。 日本国内のISVがSaaS化に二の足を踏んでいた問題の1つだが、きっとASPは国内のソフト事情に配慮して、従来提供していたオンデマンド・サービスツールを組み合わせた「K─ASP」を構築。これを採用すれば、「いまあるほとんどのアプリケーションを、すぐにSaaS提供できるようになる」(松田社長)と、SaaS化への取り組みを促していく。 接続形態の条件としてUNIXは「別途相談」ながら、WindowsやLinux、その他オープンソース、GoogleやWeb2.0系など、すべてのアプリケーションを「K─ASP」上で利用できるようになる。 K─ASPは、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の「SaaSビジネスモデル実証実験」(8月13・20日号で既報)に提供される。きっとASPは、この実証実験と並行して、ISPやインターネットデータセンター(IDC)事業者やIDCを有するSIer、自社ソフトのSaaS配信を目指すISVなど、SaaS型のアプリケーション提供サービスを模索するITベンダーに対し、個別の「サービス店舗」開設を最低1万円/月額から提供する。■システム統合化に効用が また、「Pivot Path/JSDN」の提供先としては世界で初めて、企業向けに販売する。100ユーザー/パッケージ価格で500万円からを予定。企業内では、OSや言語の異なるアプリケーションが混在してシステム担当者の管理運用などに負担が生じていることが多い。こうした状況を改善するため、「システム統合化」へシフトしている。社内の既存ソフトと新規利用するソフトを低コストで簡単に管理運用できる基盤として「K─ASP」は効果的に利用できそうだ。 企業向けに「K─ASP」を販売するスキームは、いまのところ検討中。ただ、このほど開催した「K─ASP」のパートナー説明会には、SIerやNIer、ISVなどから約50社・80人が参加、関心が高かったことからも、早い時期に企業向け販売がスタートするとみられる。 話題先行だった「SaaS提供」。きっとASPの基盤技術などで、一気に実用化へ舵を切り、SaaSが拡大することになりそうだ。
「『SaaS屋台』を貸し出します」--きっとエイエスピー(松田利夫社長)は来年1月、国内で流通している既存ソフトウェアをSaaS(Software as a Service)型で即サービス提供できるという米ジャムクラッカー社と同社の製品を融合させたプラットフォーム(基盤、「SaaS屋台」)の提供を開始する。通信キャリアやISP(インターネットサービスプロバイダ)などサービス事業者に貸与するほか、企業向けにもシステム統合製品として販売。システム提供側と企業側のSaaS利用を一気に促進する基盤として注目が高まりそうだ。(谷畑良胤(本紙編集長)●取材/文)
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