例えば社会貢献活動には、従来比約2倍の資金を投じて、従業員満足度(ES)向上施策に着手した。この結果、「働きがいのある会社ランキング」2008年版ではトップになっている(GPTWジャパン調べ)。また、全国の営業所を支店に格上げしたり、9つの支店を設けるなどして地域社会への貢献を図った。「IT技術者をより幸せにするために」(ヒューストン氏)、「Power to the Pro」の名称で、デベロッパーおよびITPro向けの情報提供やコミュニケーションの活性化、セミナーの開催も充実させた。ヒューストン氏は退任前、最後となる記者会見において、この増強版「Power to the Pro Next」も発表し、技術関連書籍の出版や情報検索サービスの開始、ライセンス説明専門人員を1・5倍に増加させる計画を明らかにしている。彼の功績は、こうした「短期的には業績に結び付きにくい分野を重要視し、力を注いできたこと」にある。このような例は過去にあまりなく、「ヒューストン氏だから実現した施策で、彼の独自性が会社を変えた」との声が社内外を問わず聞こえてくる。