その他
情報セキュリティEXPO 過去最大規模の展示会に
2008/05/26 14:53
週刊BCN 2008年05月26日vol.1236掲載
脅威は「外部」から「内部」へ
激しい動きなく、一服感漂う
情報セキュリティEXPOが、5月14-16日、東京ビッグサイトで開催された。5回目になる今回は展示社、来場者ともに過去最大規模となった。展示会場を見て歩いて得た感触から、セキュリティのトレンドを探ってみよう。(鍋島蓉子●取材/文)
■雨で出足鈍るも、午後は盛況 初日は昨年上回る結果
初日はあいにくの悪天候で、開始直後の会場内はやや閑散としている印象を受けた。一方、同期間で開催される組込みシステム開発技術展は早くも黒山の人だかりが出来上がっている。盛り上がりに欠けたまま初日を終えるかと思いきや、昼ごろから次第に来場者が増え始め、終わってみると昨年の初日3万2693人に比べて3万4695人と、2000人ほど上回る結果となった。
前回は同日程で開催される展示会(「ソフトウェア開発環境展」「データウェアハウス&CRM EXPO」「組込みシステム開発技術展」「データストレージEXPO」「情報セキュリティEXPO」「RFIDソリューションEXPO」「ダイレクトマーケティングEXPO」「Web2.0マーケティングフェア」)の全体で出展社数1381社、来場者数11万0626人だったが、今年は1551社、12万5000人を見込んでいた。実際は11万8876人と目標値より若干下回ったものの、全日程を通して人波が途切れることはなかった。
情報セキュリティEXPOでは、「フォレンジックゾーン」「メールセキュリティゾーン」「検疫ソリューションゾーン」「バイオメトリクス認証ゾーン」「ドキュメントセキュリティゾーン」に加え、今回新しく、「UTM(統合脅威管理)ゾーン」が新設された。UTMゾーンでは、フォーティネットや、セキュリティ大手のチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのUTM新製品などが展示され、説明員が対応に追われていた。
場内はウイルス対策ソフトや、認証ソリューション、UTMのアプライアンスなどに加え、入退室管理など物理的なセキュリティなど多様なソリューションの展示もあり、おなじみの抽選会も行われた。その一方で、枠にとらわれない催しも目立った。例えば新興のメール暗号化ソフトベンダー、ゼンロックのブースでは、製品が展示してあるブースとは別にカフェを提供していた。また、ロシアのセキュリティベンダーの日本支社・カスペルスキーラブスジャパンでは、大規模なブースを設け、宇宙食やゲームの配布などを行っていた。同社のCEO兼アンチウイルス研究所所長のユージン・カスペルスキー氏が講演を行った際には、黒山の人だかりができていた。またドイツのジーデータソフトウェアでもドイツの国柄にちなみ、ドイツビールを振る舞っていた。さらにテクマトリックスではただのセミナーではなく「落語」を披露することで賑わいを見せていた。こうした大規模なブースでは派手なパフォーマンスもあって来場者も積極的に足を止めるが、小規模ブースになると集客には苦労しているように見受けられた。
■内部統制など企業内対策目立つ「特徴ないのが特徴」とも
こうしたなか各社の展示ブースをのぞいてみると、大多数の出展企業で展示されているのが、企業内部脅威に対するソリューションだった。内部脅威対策は大手の販社、メーカー、セキュリティベンダーに限らず、地方で活動しているシステム開発会社にとっても絶好の商機になると映っているようだ。
セキュリティの需要がいまだ伸び続けるなか、けん引車の役割を果たすものとして、内部統制関連ソリューションがあげられる。J-SOX法の適用初年度として、今年は本格的な需要が期待される。場内を見渡すと、「内部統制」「ログの統合管理」「アクセス管理」「暗号化」などのキーワードがあちらこちらに踊っていて、各社のブースで開かれるセミナーも、内部脅威を題材としたものが多かったようだ。
ただ、「今年の情報セキュリティEXPOには、特徴が感じられなかった」という意見もある。以前はEXPOが開催されるたびに、セキュリティのトレンドが変化していて、それが展示会に顕著に現れていたようだ。だが、今年に限っては、多岐にわたるソリューションが展示されてはいるが、それゆえに「特徴がないのが特徴だろう」というのである。
確かに内部統制関連のソリューションなどは今年になってから生まれたり話題になったりしたものではない。また、来年を見据えてみても、急激に伸びてくるソリューションが頭に浮かんでこない。セキュリティのトレンドの移り変わりが鈍化していることの現れなのだろうか。
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