米マカフィー(デヴィッド・デウォルトCEO)でワールドワイドチャネルを担当のシニアバイスプレジデントのアレックス・サーバー氏が来日し、同社のパートナープログラムについて説明した。マカフィーでは統合セキュリティソリューションを展開するため、M&Aを続けてきた。この数々の買収によって獲得した製品を自社のパートナープログラムに組み入れることで、より一貫性のある、売りやすい体制を構築するという。
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| アレックス・サーバー氏 |
米マカフィーは、不況のなかでも16四半期連続の成長を遂げている。今後、さらにチャネルにフォーカスした展開を行い、自社のパートナープログラムを強化するという。これまでは買収したそれぞれの会社の展開するパートナープログラムを適用していたため、複雑・細分化していた。アレックス氏は「これを見直し、整理することで、一貫して理解できるものに変え、迅速にトレーニングを行っていく施策を打つ」(サーバー氏)という。
現在、マカフィーではグローバルで「McAfee Security Alliance Program」を展開している。パートナーはソリューション、技術を販売するためのマーケティング支援、営業支援や技術支援を受けることができる「Associate(アソシエート)、一定の要件を満たすことで、特別なマーケティング支援、営業支援、技術支援を受けることができる「Premier(プレミア)」、二つのプロダクトラインの認定資格取得と一定の要件を満たすことで得られる「Elite(エリート)」の3段階のレベルに分けている。上のレベルに行けば行くほど、高い収益を得ることが可能で、日本では住商情報システム、ソフトバンクBB、マクニカネットワークスなどがEliteを取得している。
マカフィーでは、買収した製品を「McAfee Security Alliance Program」に組み込む。パートナーが取り扱う製品が技術のライフサイクルを示した「キャズム」などと照らし合わせて、どの位置にあるのか、またパートナーがどのトレーニングレベルにいるかを明確にし、どのパートナーも、自身が売りたい製品をもとに自由にトレーニングを選んでいけるようにする。これによって売れる体制を整え、パートナーの投資に即したメリットを提供するという。
「マカフィーは、2010年を『パートナーの年』と位置づけている。パートナーの考え方を取り入れたうえで、意思決定をしていきたい」(サーバー氏)と話した。
アレックス・サーバー氏は米シスコシステムズを経て昨年8月にマカフィーに入社した。シスコシステムズではセキュリティ、ワイヤレス、先端技術のチャネル戦略とプログラム策定や買収企業のチャネル統合を主導した。またエンタープライズ市場、商業市場、公共部門市場の責任者として、セキュリティ、ワイヤレス、データセンターの市場参入におけるチャネル戦略の実行や、マネージングディレクターとして日本チャネルの事業を統括した経歴をもつ。(鍋島蓉子)