日本アバイアに2010年4月26日付で新社長が就任した。昨年、同社はノーテルの買収を行った。今回の新体制で、どのようなビジネスを手がけていくのかが気になるところ。当面は、SMB(中堅・中小企業)市場で新規顧客の開拓を図るという。
SMB市場で新規顧客を開拓
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| 4月26日付で社長に就任したロバート・スチーブンソン氏 |
新社長に就任したスチーブンソン氏は、前職でデルのラージ・エンタープライズ事業部戦略担当ジェネラル・マネージャーとして、製品販売が中心だった組織をソリューション販売の組織に転換させるのに尽力した人物だ。その前は、EMCジャパンでパートナーセールス部門担当常務取締役として販社経由のビジネスに携わったほか、COO(最高執行責任者)として新規事業の戦略立案などを指揮していた。BEAシステムズの社長を務めた経験もある。日本語が堪能で、複数の日本企業を渡り歩いてきた。スチーブンソン社長は、「デルで小回りのきくやり方を吸収した。EMCジャパンで販売パートナーとの協調関係を学んだ。BEAシステムズでは、NECやOKIなど当社にとってはライバルとなるPBXメーカーとのパートナーシップを実現させた。このようなノウハウや人脈などを生かす。加えて、当社を風通しのよい会社にすることによって成長させる」としている。
これまで日本アバイアは、米国本社の幹部が社長を務めるケースが多かった。今回、日本と米国をよく理解しているスチーブンソン氏が社長に抜擢されたのは、米国本社が日本法人を重要視している証といえる。実際にアジア太平洋地域の社長であるフランソワ・ランソン氏は、「日本は戦略的な市場と捉えている」と認める。
日本アバイアが成長路線を敷くための策を講じるのは、「2か月以内。それまでに必ず戦略を策定する」(スチーブンソン社長)という。また、「6月には戦略的な製品を日本市場に投入する」。こうした取り組みを踏まえ、同社が力を注いでいるUC(ユニファイドコミュニケーション)分野で事業拡大を図る方針だ。具体的な戦略については今後詰めるが、「標準的な部分については、すでにワールドワイドで打ち出されている策を踏襲する。一方で、日本独自の取り組みも進めていきたい」考えを示す。「日本には阿吽の呼吸が幅をきかすといった『ハイコンテクスト文化』があり、米国とはコミュニケーションの文化が異なるため」という。日本に適したUCを模索するというわけだ。また、電話についても米国企業では直通番号が主流だが、日本の企業は代表番号が多いという、以前からネットワーク業界の課題に挙がっている点も“日本独自”の取り組みを促す要因となっているようだ。
ワールドワイドでは、「UC市場は昨年、前年比で約30%減になってしまうなど厳しい状況だった。しかし、底を打った感はあり、今年は拡大する可能性を秘めている」と、ランソン・アジア太平洋地域社長はみている。なかでも、「日本法人は厳しい状況ながらも比較的よい業績を残した」(同)と認める。新体制の今、日本アバイアがどのような戦略を打ち立てて変革していくかの真価が問われる。(佐相彰彦)