三重交通グループホールディングス傘下で、愛知県名古屋市で東急ハンズのフランチャイズ店舗を運営する三交クリエイティブ・ライフ(山ノ内泰央社長)は、人事・給与システムをクラウド環境に移行した。採用したのは、ユーフィットのSaaS型人事・給与システム「Quefit ZeeM」。人事と給与、勤怠の情報連携が可能となり、業務効率が大幅に向上した。
三交クリエイティブ・ライフ
会社概要:1986年2月設立。愛知県名古屋市で、東急ハンズのフランチャイズ店舗である東急ハンズ名古屋店と東急ハンズANNEX店を運営する。三重交通グループホールディングス傘下。
サービス提供会社:ユーフィット
サービス名:SaaS型人事・給与システム「Quefit ZeeM」
SaaS型人事・給与システム「Quefit ZeeM」のシステム構成
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| 三交クリエイティブ・ライフの秋田智子・主任 |
三交クリエイティブ・ライフは、もともとユーフィットが展開している給与計算サービス「Quefit(キューフィット)」のユーザー企業だった。「Quefit」は、ユーザー企業のデータを預かり、給与・賞与計算、社会保険料計算、年末調整、各種帳票の出力・振込依頼までを一括して行うサービス。人事システムはオービックを利用していた。
同社はサーバーの保守サポート期間切れを迎えようとしていた。しかも、人事システムの使い勝手に不満を抱えており、これを機に情報の分断が起きていた人事システムと給与システムを一本化することを決断した。
「ユーフィットとは二十年来のつき合い。頼りになる存在だと判断した」。三交クリエイティブの秋田智子主任はユーフィットのSaaS型人事・給与システム「Quefit ZeeM」選定の理由をこう説明する。
SaaSの利用では外部にデータを置くことになるが、そのことに抵抗はなかったという。ソフトウェアライセンスの費用やサーバー、ストレージなどのハードウェアのコストが不要で、システム運用の負担を大幅に軽減できるほか、「銀行のシステム部門から独立して、金融機関向けのシステム構築、サービスに強いユーフィットにすべて任せるほうが、自社で管理するよりも、よほど安心」(秋田主任)だった。
検討を開始したのは2008年の秋口で、まずは人事システムの刷新に着手。構築期間は、09年4月から同年6月までで、同年7月に本番稼働となった。数か月遅れて、給与システムの導入に踏み切った。構築期間は10年1月から同年7月までで、同年8月に本番稼働した。
給与システムは、人事システムに比べて2倍以上の導入期間を要した。ソリューションビジネス事業部ソリューションビジネス部の柘植雅貴氏は、「当社がもっている従業員番号体系と人事の番号体系、過去の履歴として残さなければならない勤怠情報の番号体系がまったく違っていた。Accessで管理したうえで、データに整合性をもたせて、給与情報の取り込みを行うようにした」と苦心のほどを説明する。当時は「Quefit ZeeM」のサービスが立ち上がった時期で、三交クリエイティブはそのファーストユーザーということもあって、従来利用していた「Quefit」からのデータ移行に時間がかかった。
「Quefit ZeeM」の導入は、三交クリエイティブに大きな恩恵をもたらした。IT資産を“所有しない”ことの利点だけではない。秋田主任は「以前は従業員が知らない隠し番号で給与システムを利用していたが、今は勤怠管理システムの番号に統一できている。当たり前のことだが、人事情報がきちんと給与に反映される」と満足げに語る。
退職した従業員を再雇用する場合は、過去の従業員番号がわかっていさえすれば、人事情報をすべて引き継ぐことが可能となっている。
煩雑な事務作業に追われることがなくなり、作業効率が向上することで、些細なミスを防ぐことができるようになった。(信澤健太)

(左から)ユーフィットの長屋好美氏、三交クリエイティブ・ライフの秋田智子主任、ユーフィットの柘植雅貴氏、加藤時彦部長
3つのpoint
・システムの構築・運用コストの削減
・人事・給与情報の一元管理
・高いセキュリティ対策