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<情報セキュリティEXPO 2011 レポート>モバイルセキュリティに着目

2011/05/13 10:26

 東京・ビッグサイトで開催中のイベント「情報セキュリティEXPO 2011 春」が最終日を迎えた。5月11~13日、IT関連の総合展示会「Japan IT Week 2011春」(リード エグジビション ジャパン主催)の一環として開催された今年は、初開催の「スマートフォン&モバイル EXPO」や注目度の高い「クラウドコンピューティングEXPO」など11の展示会を同時開催。1500社が出展する大規模なイベントとなった。

 「情報セキュリティEXPO 2011 春」では、データ消去・復旧ゾーン、メールセキュリティゾーン、UTM(統合脅威管理)ゾーン、認証・PKI・暗号化ゾーン、ドキュメントセキュリティ・文書管理ゾーンの五つの特設ゾーンを設置している。

 メールセキュリティゾーンに出展しているキヤノンITソリューションズは、メールフィルタリング/アーカイブ製品の「GUARDIANWALL」、ウェブフィルタリング製品「WEBGUARDIAN」などを展示。同社がとくに力を入れているエンドポイントセキュリティソリューション「ESET Smart Security」「ESET NOD32アンチウイルス」については、別に「ESET」単独でブースを設けて紹介していた。 

初日に新聞広告を打って興味を引き、ブースに誘導する作戦。ブース外壁には広告と同じイメージをプリントし、刷り込み効果を狙った

 「ESET」は、ディストリビュータであるキヤノンITソリューションズがマーケティングを主導しながら販売している。ブースでは「実装」「歴史」「解決」「募集」という、インパクトの強い2文字で、来場者にメッセージを伝えている。「今年はESETのすぐれた技術を最適な形で導入できる『実装力』を強く訴えた」(セキュリティ企画部セキュリティ企画第一課の輿水直貴氏)とのことだ。法人向け製品拡販のパートナー「募集」も行っている。 

2文字メッセージでインパクトを与える

 会場全体では、トレンドマイクロ、シマンテックが最大規模の小間数で競い合って出展。さらにその隣にはマカフィーがブースを構えるなど、アンチウイルスベンダー三つ巴の並びが目を引いた。

 マカフィーは、「モバイルセキュリティ」「SaaS」「仮想環境/サーバー&ネットワーク セキュリティ」の3テーマで展示。広報の加藤英明氏は、「震災の影響で、モバイルやクラウドが注目されている。これらのキーワードに合わせてソリューションを提供できたらいい」と話した。モバイル展示コーナーでは、今年3月に発売したマルチプラットフォーム対応のモバイルデバイス管理製品「McAfee Enterprise Mobility Management」や、エンドポイントを守る仕組みとしてDLPソリューションなどを紹介している。 

奥ではセッションに耳を傾ける人の姿も

モバイルコーナーのDLPソリューション展示

 モバイルデバイス管理製品は、社員に配布したスマートフォンやタブレットの情報をコンソールで一元管理し、セキュリティポリシーの適用などを行う仕組みで、スマートデバイスの法人需要が高まるなか、注目のソリューションだ。 

トレンドマイクロブース

配布していたブースマップ。全体のレイアウトとカラフルな各展示コーナーと、製品が紹介されている

 トレンドマイクロは、「データの安全性の保持」「多様化するエンドポイントを守る」「セキュリティ強化のための仮想化(サーバ仮想化)」「セキュリティ強化のための仮想化(デスクトップ仮想化)」の4テーマで製品を展示した。

 とくに力を入れているのは、サーバ仮想化コーナーの物理環境、クラウド環境、仮想環境を統合管理するソリューション「Trend Micro Deep Security」やエンドポイントコーナーにあるモバイルデバイス向け製品だ。マルチプラットフォームに対応したモバイルデバイス管理製品「Trend Micro Mobile Security」は、第2四半期以降の提供を予定している。

 「Mobile Security」は、PCとモバイルデバイスを一つのコンソールで管理できる製品。「ウイルスバスター コーポレートエディション」のプラグインとして提供する。「今、PCとモバイルデバイス管理を一つのコンソールで管理できる製品はほとんどない。一番のセールスポイントだと思っている」(エンタープライズマーケティング部サービスマーケティング課の転法輪浩昭プロダクトマーケティングマネージャー)。 

右が「Trend Micro Mobile Security」のエージェント(英語版)。隣には総合セキュリティ製品「ウイルスバスター モバイル for Android」のベータ版を展示

 コーポレートカラーの黄色を前面に配したシマンテックは、「クラウドセキュリティ」「モバイルセキュリティ&管理」「情報セキュリティプラットフォーム(情報の保護&管理)」の3テーマで製品・サービスの展示を行った。

 「モバイルセキュリティ&管理」では、マルチプラットフォームに対応したモバイルデバイス管理製品「Symantec Mobile Management」を展示。「まず、6月にiOS対応を予定している」(フィールドマーケティング部 木村泰介マーケティングスペシャリスト)。秋頃にはAndroid対応を計画しているとのことだ。

 ブースでは「Symantec Mobile Management」の管理コンソールからiPhone、iPadにポリシーを適用するデモを見せてもらった。管理コンソールから、パスコードの変更と、YouTubeのような特定アプリケーションを使用できないように設定して配信すると、端末にただちにポリシーが適用されるデモだった。(鍋島蓉子)

シマンテックブース

端末から適応ポリシーを確認。パスコードの変更とiTunesやYouTube、内蔵カメラを使用できないようにする設定だ

パスコードを変えるように促すポップアップ
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外部リンク

「情報セキュリティEXPO」=http://www.ist-expo.jp/ja/