バンダイナムコグループでアミューズメントグッズの開発・販売を手がけるバンプレストは、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の企業向けドキュメント配信サービス「GreenOffice Publisher」を採用した。iPadやAndroid端末などで資料を共有できるクラウド型サービスで、機密情報の漏えいを防ぐ情報セキュリティ機能が充実していることが採用の決め手となった。機密性が高い文書を扱うプラットフォームとして「GreenOffice Publisher」を活用している。
バンプレスト
会社概要:バンダイナムコグループのバンプレストは、アニメやゲームのキャラクターグッズを用いた商品開発・販売を手がけている。クレーンゲーム用の景品や、スピードくじ「一番くじ」などを主力商品としている。
ソフトウェア提供会社:京セラコミュニケーションシステム(KCCS)
ソフトプロダクト名:「GreenOffice Publisher」
「GreenOffice Publisher」のアクセス権限設定機能
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KCCS 福島剛部長 |
バンプレストは、アニメやゲームのキャラクター商品の開発・販売を手がける。こうしたグッズ類は、主にアミューズメント施設のクレーンゲームやスピードくじの景品として流通している。キャラクター商品は情報を開示するタイミングが厳密に定められており、アニメ・ゲームを手がける企業は情報漏えいに常に細心の注意を払う。グッズの製作過程では、オリジナル作品中の未発表の情報を扱うこともあり、万が一に外部に漏れた場合は、版元や権利者などにも迷惑がかかりかねない。
しかし、一方でバンプレストの扱うキャラクター商品の種類は膨大で、そのほとんどが色合いが重視されるカラー情報だ。昨今では映像を資料にするケースも少なくない。バンプレストの青木優・経営企画チームマネジャーは、「カラーページは数十から100ページ台に達することもざらで、これを紙に印刷するとプリントコストがかさむだけでなく、紛失や漏えいのリスクもつきまとう」と、ドキュメント管理で課題を抱えていた。親会社グループが情報セキュリティ強化やペーパーレスの一環として文書の電子化を進めたこともあり、バンプレストも電子ドキュメントシステム採用の検討に着手した。
さまざまな電子ドキュメント管理製品を検討した結果、KCCSの企業内ドキュメント配信サービス「GreenOffice Publisher」の採用を決断。2012年初めから導入を始めた。理由は明確で、このサービスがiPadやAndroid端末などスマートデバイスを強く意識してつくられており、実際、バンプレストで全社導入しているiPadでの操作性は極めてすぐれている。二つ目の理由として、情報漏えいを防ぐ機能が充実している点を挙げた。バンプレストの小川真一・管理チーム総務担当マネジャーは、「アクセス権限を細かく設定でき、情報漏えいの対策が容易にできる」と説明し、自社のニーズを満たすサービスだと満足げだ。

バンプレストの青木優マネジャー(左)と、小川真一マネジャー
「GreenOffice Publisher」は、企業内のビジネス文書を電子書籍化し、iPadやAndroid端末、パソコンなどへ配信・共有するクラウド型のサービスだ。電子書籍化したコンテンツは暗号化してあり、閲覧できるユーザーを絞り込んだり、オンラインになっているときだけ閲覧を可能にする、あるいはダウンロードしてオフライン状態でも閲覧できるが、一定時間に到達すると閲覧できなくなるなどの細かな設定もできる。クラウドサービスで、サーバー購入費用などの初期投資が少ない点も魅力だった。
バンプレストは「GreenOffice Publisher」のファーストユーザーであり、開発に際しての助言者でもある。「GreenOffice Publisher」の開発元であるKCCSの福島剛・商品開発部長は、「時限式にファイルを閲覧できなくしたり、消去したりする機能や、パソコンもスマートデバイスと同様に、セキュアでスムーズに閲覧できるようにするべきというご意見をいただき、開発に反映した」と、サービスの完成度を高めるうえでバンプレストの意見は大いに役立ったと感謝している。(安藤章司)
3つのpoint
・暗号化によるアクセス制御で、機密情報の漏えいを防止
・スマートデバイスやパソコンなど端末を選ばずに閲覧できる
・文書を電子的に共有することで印刷コストを大幅に削減