ネットワールド(森田晶一社長)は、販社向けセミナー「NetApp Leaks 2012」を福岡、東京、名古屋、大阪の4都市で開催した。セミナー参加者のSIerなどに対して、ネットアップのストレージ新製品「FAS2220」や、ネットアップとシスコシステムズの製品を組み合わせたクラウド基盤「FlexPod」について解説。販社開拓に向けて、ネットアップの製品が売れる製品であることをアピールし、パートナープログラムに参加するメリットを説明した。(取材・文/佐相彰彦)
出荷台数は3倍以上の見込み
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森田晶一 社長 |
「NetApp Leaks 2012」は、福岡(7月10日)、東京(7月12-13日)、名古屋(7月18日)、大阪(7月19日)の各地で開催された。主催はネットワールドで、ネットアップの共催、シスコシステムズの協賛で実施。東京で開催されたセミナーでは、最初にネットワールドの森田晶一社長が「08年にネットアップと販売代理店契約を締結し、今では大幅に販売が伸びている。担いだことで大きなメリットを享受している」と述べたうえで、「セミナーの内容をビジネスに少しでも役に立つものにする」と発言して、参加者のメリットにつながることを訴えた。
実際、ネットワールドではネットアップの製品が大幅に伸びている。2010年度(10年12月期)は出荷台数が前年度の約2.4倍、昨年度が約2倍だったという。ストラテジック・プロダクツ営業部の高田悟氏は、「今年度は3倍以上の伸びが期待できる」とアピールした。成長の決め手になるのが、新製品の「FAS2220」だ。
「FAS2220」は、最小構成で95万円と価格が手頃で、中堅企業向けストレージ機器に位置づけられる。1TB SATA HDD×6本から最大で180TBまで拡張できるほか、ハイエンドモデルと同じアーキテクチャ、シンプロビジョニング、重複排除、圧縮、スナップショットや管理機能を提供するツール群「Data ONTAP Essentials」を標準で搭載しており、さまざまなニーズに対応できる。
低価格のストレージなので、ネットワールドでは「FAS2220」を中心としたシステム案件の単価が一案件あたり300万円以下のレベルになることを予測している。ちなみに、昨年度の案件単価は550万円程度。単価が大幅に下がることになるが、中堅企業で新規顧客を開拓でき、「見積件数は昨年度と比較して2倍に増える」と見込んでいるように、ビジネスとして大きく成長すると捉えている。
素人でもシステムを構築できる
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ストラテジック・ プロダクツ営業部 高田悟氏 |
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SI技術本部 ストレージ基盤技術部 重原智幸氏 |
また、セミナーでは「はじめてのFlexPod~構築ドキュメンタリー~」というテーマでFlexPodを構築した体験談を披露。ネットアップのストレージ「FAS」シリーズ、シスコシステムズのスイッチ「Nexus」シリーズとサーバー「UCS」シリーズ、ヴイエムウェアの仮想化ソフト「vSphere」シリーズを、マニュアル通りに組み合わせた。実際に構築を担当したのは、SI技術本部ストレージ基盤技術部の重原智幸氏。ネットアップの製品に精通しているが、シスコシステムズの製品に関しては素人だ。重原氏は、「マニュアル通りに何が何だかわからないまま構築したので、正直いってSEにとっては面白味がないと感じた」と本音を打ち明けたものの、構築後の検証でFlexPodのパフォーマンスの高さに驚いたという。素人であっても、きちんと構築できることを証明したわけだ。
さらに、セミナーの最後にはネットアップのパートナープログラムを紹介。ネットワールドを通じてリセラープログラムに参加すれば、営業やSE向けに無償のトレーニングを提供することや、専用のウェブサイトでいつでも見積もりを依頼できることなどをアピールして締めくくった。なお、ネットワールドではネットアップのパートナープログラムに関する説明会を8月下旬から9月下旬にかけて開催する予定だ。