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クラウドアプリのマーケットプレースの可能性 魅力的だが、ふるいにかけられる企業はどうする
2012/11/08 14:53
週刊BCN 2012年11月05日vol.1455掲載
アップルやアンドロイドなどのアプリケーションストアは、モバイルユーザー向けに数十万に及ぶ膨大な数のアプリを用意したマーケットプレースを提供している。調査会社ガートナーによると、アプリストアからのモバイルアプリのダウンロード数は、2014年までに年間700億を超える見込みだ。コンシューマから企業に利用の幅は広がっていくとみている。企業内ユーザーは、複数のサービスを見比べて利用するまでの手間を省くことができる。ITベンダーにとっても、ビジネスに参画できる場が用意されるのでメリットは大きい。とはいえ、日本では対象となり得るユーザー層が限られてくると思われる。
アマゾンの「AWS Marketplace」では、SAPやSage、IBMといったITベンダーのサービスを販売している。数クリックで、簡単にサービスを検索して購入する仕組みだ。ユーザーが購入したクラウドサービスは、AWSの利用料金を合算するかたちで課金される。アマゾンのほか、マイクロソフトやグーグルなどのマーケットプレースも立ち上がっている。国内ITベンダーでは、サイボウズが業務アプリ構築クラウド「kintone」で利用するアプリを無料でダウンロードできる「kintoneアプリストア」を公開した。30種類以上のアプリが揃う。ダウンロード数無制限で、カスタマイズも自由。パートナー企業が提供するアプリも追加する方針だ。業務アプリ業界では、新たな商流として注目が高まっている。
アップルの場合、世界中の開発者がiOS向けの「AppStore」を活用して多くのiOS対応アプリを生んだ結果、プラットフォームの魅力を高めることになった。すでに、業務向けでもセールスフォース・ドットコムがISVやSIerが独自サービスを開発できる「Force.com」とマーケットプレースの「AppExchange」を用意して、日本での成長の原動力の一つとなった実績がある。確かに、大企業を中心にマーケットプレースでの購入機会は増えそうである。
ただし、マーケットプレースは主体的に訪れる企業担当者を対象としている。この場合、とくにひと筋縄ではいかないのが中小企業である。多くの中小企業はIT戦略を確立しているわけではなく、マーケットプレースに引き込む導線づくりが難しい。単にマーケットプレースを用意しただけでは、その時点で「意識が高い」企業と「意識が低い」企業をふるいにかけてしまうだけ。ITコーディネータや会計事務所の税理士など、外部の専門家がサービスを推奨できる仕組みづくりが必要だ。すでに、中小企業の経営者に強い影響力をもつ税理士と共同戦線を張るグーグルのような動きがある。マーケットプレースでも、橋渡し役として“士業”の重要性が高まるとみる。(信澤健太)
アップルやアンドロイドなどのアプリケーションストアは、モバイルユーザー向けに数十万に及ぶ膨大な数のアプリを用意したマーケットプレースを提供している。調査会社ガートナーによると、アプリストアからのモバイルアプリのダウンロード数は、2014年までに年間700億を超える見込みだ。コンシューマから企業に利用の幅は広がっていくとみている。企業内ユーザーは、複数のサービスを見比べて利用するまでの手間を省くことができる。ITベンダーにとっても、ビジネスに参画できる場が用意されるのでメリットは大きい。とはいえ、日本では対象となり得るユーザー層が限られてくると思われる。
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