インテル(吉田和正社長)は、パートナー企業向け支援プログラム「インテル テクノロジー・プロバイダー・プログラム(ITPプログラム)」を通じて協業の強化に取り組んでいる。参加企業に限定した有益な情報の提供、トレーニング、サポートなどを実施し、2013年3月末の時点で600社以上のパートナー企業を獲得した。今後は、インテルとのメンバーシップの深耕で中長期的にビジネスが拡大できることを訴えることで、2013年内に2000社の獲得を目指している。「ITPプログラム」のメリットと今後の取り組みを探った。(取材・文/佐相彰彦)
パートナー企業を3レベルに分類

今井美菜子
マーケティング
スペシャリスト インテルでは、「ITPプログラム」を通じてパートナー企業に対して、ウェブサイトによる新製品やイベント、セミナーなどの情報提供をはじめ、トレーニングやサポートに取り組んでいる。さらに特典のひとつとして、パートナー企業が対象のセミナーに参加したり、対象製品の購入(仕入れ)を行った場合はポイントを付与する。ポイントで新幹線のチケットや空気清浄器など業務やオフィスで活用できるものに交換できる特典もついている。リセラーチャネル事業部の今井美菜子・マーケティングスペシャリストは、「入会費や年会費が無料なので、気軽に入ることができる」とアピールする。トレーニングは、オンラインで50種類程度のコースを用意しているほか、四半期に1回以上の割合でセミナーが無料で受けられる。パートナー企業になる可能性が高いSIerにとっては、インテル製品を販売するうえでの大きなメリットになりそうだ。
「ITPプログラム」は、もともと「インテル チャネル・パートナー・プログラム」として提供していたが、2011年3月に名称を変更。名称の変更に伴って、新たなメンバーシップ・レベルを設けた。参加企業を3種類に分けており、プログラムへの登録申請を完了した段階で「レジスタード・パートナー」となる。「レジスタード・パートナー」では、ポイントを積み立ててさまざまな商品やサービスと交換できる特典をはじめオンライン・トレーニングやセミナー、テクニカル・サポート、製品の交換保証などが受けられる。
トレーニングを受けた回数などでさらに上位レベルの「ゴールド・パートナー」「プラチナ・パートナー」などに昇進することができる。「ゴールド・パートナー」では、「レジスタード・パートナー」で受けられる特典に加えて、マーケティング素材やメンバーシップ認定バッジなどのマーケティング支援も受けられる。「プラチナ・パートナー」では、「ゴールド・パートナー」で受けられる特典に加えて、インテルの営業担当者によるサポートなど、すべての特典を利用できるようになる。
パートナー企業とともに成長
今井マーケティングスペシャリストは、「今後は、中小企業向けビジネスに強いベンダーや、組み込み機器開発、ヘルスケアなどの市場に強いSIerおよび再販業者に参加してもらいたい」との考えを示している。また、「ITPプログラム」を通じて地場SIerとのパートナーシップも深めようとしており、「パートナー企業になったSIerに対して、セミナーを支援することなども模索する」という。こうした取り組みによって、「2013年末までに2000社を獲得する」との方針を示している。
CPUなどインテル製品を搭載したハードウェアを販売する際、SIerなど販社にとって課題になってくるのはソリューションの創造だ。「ITPプログラム」は、そうしたSIerの課題を解決することを狙いとしている。「パートナー企業ともに成長するためのプログラム」と、今井マーケティングスペシャリストはアピールする。中長期的にビジネス拡大につながるプログラムとして、今後も支援内容などの拡充を図っていく。