その他
ネット選挙解禁でITベンダーに動き セキュリティ両雄の戦略は対照的
2013/07/18 21:03
週刊BCN 2013年07月15日vol.1489掲載
第23回参議院選挙が7月4日に公示された。これまでの選挙と大きく異なる点は、今回からインターネットによる選挙運動(ネット選挙)が解禁されたことだ。選挙期間中でもウェブサイトやソーシャルメディアによる情報発信ができるようになったほか、電子メールの送付も部分的に認められた。
このネット選挙解禁を商機と捉え、新たなソリューションを積極的に展開していこうというITベンダーの動きも活発化している。とくに顕著なのは、インターネット上の「なりすまし」対策として認証技術を提供するセキュリティベンダーだ。
政党、議員、候補者の公式ウェブサイト向けのなりすまし対策として、シマンテックやGMOグローバルサインは、通信データの暗号化とサイト所有者の確認が可能な「SSLサーバー証明書」や、より厳しいセキュリティを担保する「EV SSLサーバー証明書」の発行サービスを展開。シマンテックのEV SSL証明書は、すでに自民党、公明党の公式ウェブサイトで採用されている。
ただし、これらの証明書サービスはドメイン単位の認証であるため、SNSへの対応は難しかった。そこでシマンテックは、7月5日にオープンした共同通信デジタルのポータルサイト「THE OFFICIALS」に、SNSアカウントの認証もできる個別のURL単位の新たな認証サービスを提供することにした。サイトに掲載される公式のウェブサイト、Twitter、Facebookには、シマンテックの認証フローを経て、安心して閲覧できるウェブページであることを証明する「マイページトラストマーク」が表示される。
このように、SNS対応ではシマンテックが一歩先行したが、ウェブサイトの認証サービスでは同社とGMOグローバルサインのサービス内容はほぼ同じ。しかし、両者にはビジネスのあり方として大きな違いがある。それは、GMOグローバルサインが実質的に無償でサービスを提供しているのに対して、シマンテックはほぼ従来の製品ラインアップに沿った料金体系であること。
GMOインターネットグループの熊谷正寿代表は「この事業で利益を得ようとは思っていない」と明言したが、シマンテックの安達徹也・SSL製品本部SSLプロダクトマーケティング部上席部長は「ネット選挙をきっかけに認証のホワイトスペースを開拓したい」と話す。共同通信デジタルとの協業も、同社のメディアとしての発信力を生かして、認証サービスの意義を有権者、つまりシマンテックの潜在的なユーザーに広く認知してもらい、将来の収益拡大につなげるという明確な狙いがある。
社会貢献か、ホワイトスペースの開拓か。GMOグループに他意がないとはいえないが、両雄の対照的な動きがネット選挙の浸透とともにどのような変化をみせるのか、要注目だ。(本多和幸)
第23回参議院選挙が7月4日に公示された。これまでの選挙と大きく異なる点は、今回からインターネットによる選挙運動(ネット選挙)が解禁されたことだ。選挙期間中でもウェブサイトやソーシャルメディアによる情報発信ができるようになったほか、電子メールの送付も部分的に認められた。
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外部リンク
シマンテック=http://www.symantec.com/jp
GMOグローバルサイン=https://jp.globalsign.com/
GMOインターネット=http://www.gmo.jp/