日本ユニシスの関西支社で流通業の企業に向けて提案活動を行う井上裕太さん。営業部門に配属されてまだ2年、経験は浅いが、懸命に努力する姿や発想力に対する評価が高く、日本ユニシスが全社的に取り組んでいるサービスベンダーへの変革を支える人材と期待されている。提案の手法を磨きつつ、将来は次世代のリーダーを育成するための「プリンシパルプロジェクト」にも参加したいと考えているという。(構成/ゼンフ ミシャ 写真/掛川雅也)

写真は、日本ユニシス関西支社の近く、大阪・中之島に流れる堂島川の畔で撮影将来はリーダー格に
今年4月に営業としての2年目に入った。新人ゆえにお客様への提案がうまくできなかったことの反省を踏まえて、現在、力を入れているのは、短い言葉で説明し、わかりやすい図版を使うことでお客様に提案のポイントを簡潔に伝えることだ。私は、前号でもお話ししたように、基幹系システムやお客様の業務について猛勉強中。しかし、知識の吸収にとらわれすぎたからか、提案書が細かくなり、言いたいことが伝わらなくなってしまうことが多い。プレゼンテーションの際に、業務の課題をどう解決するかがあいまいになって、お客様から「提案が抽象的でわかりにくい」と、お叱りをいただくこともある。
そこで心がけているのは、情報の見せ方を工夫することだ。「システムはこんな特徴をもっています」などと、単に製品を説明するのではなく、「システムを導入すれば、こんな事業展開が可能になり、3年後には、売り上げをこのくらい伸ばすことができます」という将来図を描くことによって、お客様の心をつかむようにしている。こうして、新しい提案のスタイルを試みたところ、これまで引き出すことができなかった本音を語っていただけるようになった。このお陰でお客様の本当のニーズを提案に反映することができるようになり、最近、注文をいただくケースが増えている。
日本ユニシスは、お客様のビジネスを支援するサービスベンダーを目指している。私たち営業の第一線にいる者は、「うちはシステム屋だから」などと、従来通りに提案する意識を見直し、敏感にお客様の声に反応しなければならないと思う。当社がサービスベンダーに変貌するというのは、まさに私のような若手社員の腕の見せどころだと捉えている。経験が豊富な先輩からいいところを盗みつつ、若手ならではの新鮮な発想を生かし、サービス事業の拡大を支えていきたい。
当社の平岡昭良・代表取締役専務執行役員が立ち上げた「プリンシパルプロジェクト」というものがある。このプロジェクトは、新しいビジネスの創出を担う人材を育てることを目的としており、多様な部署からの若手社員がチームを組んで、およそ3か月の期間で新規事業の計画を立案する。最終的には平岡専務にプレゼンテーションを行い、計画の実現に関してアドバイスをもらう。このように、営業現場で経験を積みながら、新規ビジネスの開発にも携わり、私は将来、このプロジェクトに参加してリーダー格になることを目指している。
早く成長したいと思って、平日は仕事に没頭するけれど、土日はゆったりと頭とからだを休めるようにしている。たっぷり睡眠をとったり、阪神タイガースの試合を観たりして、仕事のことを忘れてリフレッシュを心がけている。
●日常使う営業ツール.......... 吉田カバンが展開するブランド「PORTER」の名刺入れ。日本ユニシスへの就職が決まったときに、アルバイト先の先輩にプレゼントしてもらったものだ。デザインがシンプルで使い勝手がよく、名刺交換する場合に相手に与える印象がよくなるそうだ。入社以来、ずっと愛用している。
●上司からのひと言.......... 「井上君は、配属当初はほんわかした線の細いやわな青年、といった印象でしかなかった。3か月くらい経ったある日、お客様への対応を見て、そのイメージは一変した。柔らかい物腰は変わらないものの、説明の語り口、お客様の意見を聴く姿勢、理解度など、第一級の営業並みの雰囲気を発していたのだ。提案力、説得力を身につけて、真のトップ営業マンを目指してほしい」(ビジネスサービス事業部 ビジネスサービス営業部 田中建部長)