SIerのコアグループは、主力商材であるIT資産統合管理ソリューション「ITAM(アイタム)」や、水質などの「環境分析自動化システム」、放送事業者などに向けた「電子テロップシステム」などについて中国地場ユーザーへの展開をここ2年ほどかけて試みているが、決定的な突破口が見出せない状態が続いている。
売りたい商品と現実が乖離

城戸孝吉
董事長 この背景には、中国のユーザー企業の管理レベルが高度で高価なITを駆使するところまで上がってきていないので、ニーズそのものがまだ強くないことがある。あるいは興味は示しても価格が折り合わないという事情が挙げられる。
「ITAM」は日本を中心に1500社を超える納入実績があるヒット商品だけに、「中国に進出している日系ユーザー企業には好評で、受注も右肩上がり」(コア北京法人の城戸孝吉董事長)というが、コアが狙う中国地場企業のハードルはまだ高い。
「ITAM」に限っていえば、中国の人件費高騰をはじめとするコスト増と、これに伴う産業構造の転換の流れのなかで、地場企業の管理レベルが高まる傾向がある。だが、一足飛びに日本企業並みの資産管理を行うニーズと投資価値を見出しているかといえば、まだギャップがあるといわざるを得ない。日本向けのオフショア開発も伸び悩む。
しかし、コア北京法人の今年度売り上げは前年比20%ほど伸びる見込みという。限られた手札をどう使って売り上げを伸ばそうとしているのかは次号で詳報する。(安藤章司)