電設工具メーカーのマーベルは、スプラッシュトップが提供するリモートデスクトップソフトウェア「Splashtop」のエンタープライズ版を導入した。スマートフォンやパソコンなど、複数の情報端末をつないで、画面を共有化することができるツールだ。同社は、Splashtopを使って、営業スタッフに配布しているiPadとオフコンで構築している販売管理システムをつなぎ、外出先から安全に販売管理システムにアクセスできるようにしている。
ユーザー企業:マーベル
圧着/通線/電設工具の総合商社で、創業は1943年。大阪に本社を置く。全国にある拠点から、工具店や電材店、金物店、ホームセンターを通じて商品を販売している。
サービス提供会社:スプラッシュトップ
サービス名:リモートデスクトップツール「Splashtop Enterprise」
【課題】iPadで安全に販売管理システムにアクセスしたい

情報システム室
和泉雅博 室長 マーベルの上層部がiPadの導入をトップダウンで決定して、約60人の営業スタッフに配布したのは、今年の4月のことだった。大阪に本社を置く同社は、圧着工具やケーブルカッターなど、建設現場で使われる電設工具を販売している。このところ、とくに首都圏で都市再開発が活発になっている状況で、需要は旺盛だ。堅調なニーズに迅速に対応するためには、営業活動の効率化が欠かせない。マーベルはそう捉えて、iPadの活用に乗り出した。
ITツールの管理・運用を担当する情報システム室の和泉雅博室長は、iPad導入の方針に頭を抱えた。iPadなどのタブレット端末は、営業ツールとしては便利だが、管理する側にとってはセキュリティ上の懸念があるからだ。老舗の総合商社として顧客からの信頼を大切にするマーベルは、「がちがちなセキュリティ重視のITポリシーを貫いている」(和泉室長)という。
とはいえ、セキュリティを確保するだけでなく、ITを活用することにによって社員の業務の効率化を支えることも情報システム室のミッションだ。マーベルでは、販売管理システムをオフコンで構築し、VPN経由で全国の拠点が利用している。和泉室長は営業スタッフから、「せっかくiPadを入れるのであれば、オフコンとつないで、外出先から販売管理システムにアクセスできるツールを入れてもらいたい」という要望を受けた。
iPadの配布まで1か月。和泉室長は、iPadで安全に販売管理システムにアクセスできる仕組みを求め、急ピッチで4社のリモートデスクトップツールを検討した。
【決断と解決】iPadの操作ログを管理してセキュリティを万全に
スプラッシュトップが展開する「Splashtop」を選定したのは、操作ログの管理ができる機能と、オフコンの動作をほかのシステムで模擬的に動作させること、いわゆるオフコンのエミュレーションができることの二点を評価したからだ。
しかし、問題は、他社製品と比べて価格が比較的高いということだった。iPadの導入にすでに多くの予算を使ったので、上層部の承認を得るためには、どうしたらよいのか。和泉室長は、大阪の企業ならではの値引き交渉のスキルを生かして、価格を通常よりも安価に設定してもらった。その作戦が実を結び、Splashtopの採用にこぎ着けたという経緯がある。
「なぜ、それほど操作のログ管理ができる機能を重視したかといえば、万が一のトラブル発生に備えて、原因分析や経緯の追跡がどうしても必要と考えたからだ」と、和泉室長は説明する。マーベルの営業スタッフは現在、Splashtopを使って注文を受けたら、外出先から販売管理システムにアクセスし、在庫状況や顧客ごとの設定価格を確認する。以前のように、電話で内勤者に確認することが不要になり、外勤・内勤ともに業務の効率が上がった。そのうえログ管理ができるので、和泉室長も安心だ。
もう一つの選定理由だった「オフコンのエミュレーション」も、現場で業務のスムーズな流れを支えているという。オフコンの専用端末は24個のファンクションキーを備えるが、12個のファンクションキーしかないパソコンでオフコンを使う場合は、シフトキーとファンクションキーの同時押しで操作する。「Splashtopは、パソコンと同じようにiPadでもシフトキーとファンクションキーの同時押しができるので、慣れた感じで外出先からオフコンを使うことができる」(和泉室長)と満足げだ。(ゼンフ ミシャ)
3つのpoint
・高度なセキュリティを実現
・直行直帰で営業を効率化
・内勤者への問い合わせがなくなった