BCN(佐藤敏明社長)は、4月22日、22世紀アカデミールーム(東京・神田)で、「BCN特別セミナー『Windows Server 2003サポート終了直前! 失敗しないファイルサーバー入れ替え提案』」を開催した。アイ・オー・データ機器の協賛、日本マイクロソフトの特別協力を得て、午前と午後の2回にわたって開催した。
リプレース需要は30万~40万台 中小企業にファイルサーバー移行を訴求

『週刊BCN』
木村剛士
編集長 セミナーでは、2015年7月15日にサポートが終了するWindows Server 2003について、システム管理者が知っておきたい移行時の注意点や、現行製品であるWindows Server 2012 R2の魅力、有効活用のポイント、ファイルサーバーの入れ替え方法などを紹介した。
BCNのセッションでは、「ファイルサーバー市場最新動向と今後の展望」と題して、午前の部で『週刊BCN』の木村剛士編集長、午後の部で『週刊BCN』の畔上文昭ディレクターが登壇し、中小企業のデータ保存環境の現状と特需について解説した。
木村編集長は、「Windows Server 2003のサポート終了で、30万~40万台のリプレース需要が生まれる」として、「とくに、中小企業の利用率が高いファイルサーバーシステムの入れ替えには大いに期待できる」と説明した。
ファイルサーバー専用OSの優位性 Windows Storage Serverを紹介

日本マイクロソフト
寺島つむぎ
マーケティング
スペシャリスト 続くセッション1では、「Windows Server 2003サポート終了後も使い続ける危険性、Windows Storage Server 2012 R2導入のメリット」と題して、日本マイクロソフトの寺島つむぎ・エンベデット統括本部マーケティングスペシャリストが講演した。
寺島マーケティングスペシャリストは、サポート終了後の危険性とWindows Server 2012 R2の機能性やコストメリットを解説した後、ファイルサーバー専用OSのWindows Storage Serverを紹介した。
Windows Server 2003からの移行では、まず、現状を把握するために対象サーバーを洗い出し、役割・運用方法などを確認する必要性を説明し、「ファイルサービスとそれ以外のサービスというように、サーバーが担うサービスを最適化すればコストを削減できる」と述べた。
Windows Storage Serverは、マイクロソフトが機器メーカー向けに提供しているOSで、NASアプライアンスサーバー用途に限定することで、Windows Serverよりも安価に設定されている。機能面でも、ファイル転送プロトコル「SMB 3.0」による高速性、重複排除機能によってディスク容量の有効利用が可能といった特徴を備え、Hyper-VやSQL Serverのストレージとしても活用できる。それを踏まえて、寺島マーケティングスペシャリストは「Windows Storage Serverは、NASに必要な機能をOSの標準機能として提供している。もちろん、Windowsの既存環境との親和性が高く、同一バージョンのOSが15年間提供されるので、サポート面も安心」とアピールした。
NAS製品「LAN DISK Z」が「三つの安心」でビジネスを支援

アイ・オー・データ機器
新明征和
チーフリーダー セッション2では、「今がファイルサーバーの入れ替え時!『三つの安心』LAN DISK Z」と題して、アイ・オー・データ機器事業戦略部商品企画2課の新明征和チーフリーダーが講演。Windows Serverからファイルサーバーを切り出すことのメリットを解説しながら、ファイルサーバー専用OSのWindows Storage Serverを搭載するアイ・オー・データ機器のNAS製品「LAN DISK Z」を紹介した。
新明チーフリーダーは、「ファイルサーバーを切り出すことで、サーバーへの負荷や障害発生時のリスク分散ができるだけでなく、CPUとストレージの分離によって、仮想化環境への移行も容易になる」と説明したうえで、「『LAN DISK Z』は、ユーザー企業のビジネスを『三つの安心』で支援している」とアピールした。
「三つの安心」とは具体的に、まずハードウェアで高い信頼性をもつウエスタンデジタル(WD)のNAS専用HDD「WD Red」や専用電源を採用、国内組み立てなどのこだわりを説明し、HDDを含めて3年保証を実現している。次に、ソフトウェアではNASの状態を専用管理ソフト「ZWS Manager」によって複雑なRAID構成を含めた一括管理が可能であり、Windows Storage ServerはCAL不要のためユーザーが増えるほど、高いコストパフォーマンスを発揮できる。さらに、サービスではクラウド管理機能「NarSuS」によって、装置の異常をメールで管理者に通知することで負担を軽減できる。最後に新明チーフリーダーは、「LAN DISK Z」のラインアップを紹介し、「豊富なラインアップで幅広い層のニーズに対応できる」と訴えた。
セミナーには、SIerやISV、ディストリビュータなど、約80人が参加した。Windows Server 2003のサポート終了がITベンダーにとって、いかに関心の高い話題であるということを改めて実感するセミナーになった。