BCN(佐藤敏明社長)は、6月5日、東京・神田のBCN22世紀アカデミールームで、マジックソフトウェア・ジャパン(佐藤敏雄社長)との共催による「SIer必見! BCN主催セミナー」を開催した。「ビジネスチャンスを創出するクラウドインテグレータを実現するには?」をテーマに、ユーザーに選ばれるデータ連携ツールを紹介。京セラ丸善システムインテグレーション(辻上友祥社長)とパナソニック ソリューションテクノロジー(小河寿社長)が協力した。
クラウドの課題を解決するEAI
冒頭の基調講演では、「『モバイルエンタープライズがユーザーを孤立させる』は本当か? ~今こそ、真価が問われるEAI待望の時代~」と題して、デロイトトーマツコンサルティングの千葉友範・テクノロジメディアテレコミュニケーションマネージャーが演台に立った。千葉マネージャーは、「今は“ポストデジタル”の時代」と説明し、タブレット端末などのデバイスは、導入すれば終わりではなく、ベンダーには導入後の変革を迫られていることを訴えた。
また、千葉マネージャーはタブレット端末やクラウドサービスの市場が拡大していることを説明しながら「スマートデバイスの出荷が伸び、クラウドをビジネスに導入する動きが盛んだが、必ずしもその導入効果が十分に発揮されているわけではない」と指摘したうえで、「スマートデバイス導入企業の満足度を調査すると、約3割が効果に懐疑的だ。実際、出荷台数に対する稼働率は、低下する傾向がある。クラウドを導入した後、運用コスト削減などの理由で、導入効果を発揮できていない」と述べた。
その理由については、「企業内でいくつものクラウドが乱立するなど、スパゲティ化の兆候がみられる」とのことで、それを解決する策として「スマートデバイスもクラウドも、ユーザーが求めるのは“スピード”と“コスト”。導入に際して、6年後の将来像を描き、グランドデザインとロードマップを設計する必要がある。乱立したクラウドという課題を解決するために、異なるシステムの間でのデータ連携『EAI』がさらに重要となる。そして時代は、クラウドからOVERCAST(雲が連なる状態)になる」と述べた。
投資対効果にすぐれた「Magic xpi」
続くセッション1では、「氾濫するクラウド、今だからシステム・データ連携が注目されるわけ ~データ連携ツール 新バージョン『Magic xpi 4.0』のご紹介~」と題して、マジックソフトウェア・ジャパンの工藤恵記・首都圏営業部ビジネスデベロップメント担当部長が講演した。
工藤担当部長は、初めにデータ連携ツール「Magic xpi」を紹介し、複数のクラウドを連携させるハブとして活用できるとして、「企業内外に蓄積されたデータを分析し、企業の経営意思決定に活用するBIにとって、データ連携は不可欠」と説明したうえで、「『Magic xpi』、はSAP、Salesforce.com、IBMなど、主要メーカー製の標準認定ツールで、豊富なアダプタを標準で備えているので、主要なERPやCRM、会計などの法人向けシステムを容易に連携することができる」と述べた。また、新バージョン「Magic xpi 4.0」では、耐障害性、冗長性、スケーラビリティを大幅に強化したことをアピールした。
そして、データ連携ツールでのビジネスについて、「データ連携ツールは高価と思われているので、SMB(中堅・中小企業)市場は未開発の分野。SIerにとっては、データ連携という基盤に入り込むことができれば、基幹システム全体への提案が可能になる」と訴えるとともに、「『Magic xpi』は、フローの作成などサービス提案が可能であり、ほかのツールに比べてコストパフォーマンスが高く、投資対効果を顧客に訴求できる」とした。

(左から)デロイトトーマツ コンサルティング 千葉友範 マネージャー、
マジックソフトウェア・ジャパン 工藤恵記 担当部長豊富なアダプタとサポート体制が売り
セッション2では、「なぜユーザーはMagic xpiとYellowfinを選ぶのか ~クラウド・オンプレ連携 ユーザー事例一挙公開~」と題して、京セラ丸善システムインテグレーションの林勇吾・ビジネスソリューション本部ITサービス営業部グループ長が講演。林グループ長は、BIツール「Yellowfin」の導入事例を交えて紹介したほか、「お客様は業種を問わず拡大している」としたうえで、「BIツールにデータ連携は必須。豊富なアダプタを備え、サポートが行き届いた『Magic xpi』を選んだ」と述べた。
セッション3では、「様々なファイルの登録から活用までをサポートするコンテンツ管理システム『CrossLead』~各種業務サーバとシステム連携によるデータ活用~」と題して、パナソニック ソリューションテクノロジーの松尾哲朗・ソフトウェアグループソフトウェア営業1チームユニットリーダーが講演した。松尾ユニットリーダーは、「『CrossLead』はコンテンツの一元管理によって、業務効率化をサポートできる」と述べたほか、「お客様の異なるツールがもつデータを抜き出して活用したいという要望に応えるには、データ連携ツールが必要」と説明し、「『Magic xpi』の機能、サポート体制を評価して採用を決めた」とした。
セミナーには、SIerやISV、ディストリビュータなど、約50人が参加。ビジネスを創出するための有益な情報を収集しようと、参加者は熱心に講演を聴講していた。

(左から)京セラ丸善 システムインテグレーション 林勇吾 グループ長、パナソニック ソリューションテクノロジー 松尾哲朗 ユニットリーダー