仮想環境に特化したバックアップソフト「Veeam Backup&Replication」を提供するヴィーム・ソフトウェアは、4月から日本法人を通じた国内向けの販売活動を本格化させる。ITインフラの仮想化にこれから本格着手する中堅・中小企業に向けて、「簡単に使えて、高度な事業継続を実現できる」バックアップ製品として訴求を図っていく。(日高 彰)

大越大造
カントリー・ダイレクター Veeam Backup&Replicationは、VMware vSphereまたはマイクロソフトのHyper-V上で動く仮想マシンの保護に特化したバックアップソフトだ。仮想環境専用の製品とし、ハイパーバイザーのAPIを通じてデータを取得するアーキテクチャとしたことで、保護対象の仮想マシンにエージェントソフトを導入しなくてもバックアップを作成できるのが特徴。
また、仮想マシン上のアプリケーションを自動的に認識し、整合性を保った状態でバックアップ/復元することが可能。仮想マシン単位、ファイル単位に加え、Exchange、SharePoint、Active Directory上の任意のアイテムや、OracleおよびSQL Serverのトランザクションレベルでの復元に対応している。いずれのアプリケーションもデータを参照するためのエクスプローラーが付属しており、複雑なコマンドを駆使しなくても必要な情報を取り戻せる。
最近のバックアップソフトで採用が広がっている、バックアップファイルから直接仮想マシンを起動する機能を早くから搭載している。VMware、Hyper-Vの両環境をサポートしており、アプリケーションの機能追加やシステムのパッチを本番環境に適用する前にテストする目的で、検証環境用に仮想マシンの複製を即座につくることも可能だ。
日本法人代表に昨年就任した大越大造・カントリー・ダイレクターは、「アプリケーションの整合性を維持したバックアップ/復元を、エージェントレスで提供できる製品はほかにはない」と話し、保護対象の仮想マシンを選択するだけの簡単な操作で、従来であれば知識をもつ技術者に限られていた高度なバックアップ運用ができる点を優位性に挙げている。仮想環境を丸ごとバックアップしつつ、復元はファイル1個、メール1通から可能なので、障害のみならず従業員の誤操作によるデータ消失にも即座に対応できる。また、処理速度が高速で、15分未満の目標復旧時点を達成できる(障害発生時点の15分前のデータを復旧できる)としている。
グローバル市場ではすでに18万社を超える採用実績があり、バックアップソフト市場では盤石の地位を確立しつつあるが、国内ではまだ知名度が低い。当面はエンドユーザー向けのプロモーション活動を通じて認知拡大と需要の掘り起こしに注力し、これから仮想環境への移行を本格化する中堅・中小企業を主なターゲットとする。
サービス事業者向けのライセンス体系も用意し、事業者が障害復旧サービスを自社のメニューとして提供できるようにする。顧客のプライベートクラウドやオンプレミスのリソース上で動作する仮想環境を、サービス事業者はVeeamを使って自社のクラウドやデータセンターに複製しておき、顧客の拠点に障害が発生した際、事業者側のシステムを利用して業務継続を実現するというものだ。
同社では4月に国内市場向けのローンチイベントを開催する予定で、Veeam製品を取り扱うリセラー、サービス事業者の獲得にも力を入れていく方針。