――2017年はIoTがさらに拡大しますが、御社の立ち位置を教えてください。
 

平林 朗
アイ・オー・データ機器
事業戦略本部
企画開発部
副部長

平林 インターネットにつながる機器という点では、当社はWi-Fiルータをはじめ、各種センサを搭載したIPネットワークカメラ、録画コンテンツを外出先からスマートフォンやタブレット端末で視聴できるレコーダーの「REC-ON」などを従来から展開しています。さまざまな通信のプロトコルや規格を整えて、安定したネットワークアクセスを実現する技術は、われわれの得意分野です。IoT市場は、まさに大きなビジネスチャンスであると捉えています。

――昨年末、開発中であることを発表した「IoTゲートウェイボックス」は核となる機器になりそうですね。

平林 例えばWi-Fiは、ホームやオフィス内でのデータ通信やメディアエンタテインメントを行うために短距離で多くのデータ通信量を飛ばす通信規格です。BluetoothをはじめZ-Wave(ジーウィーブ)やZigBee(ジグビー)は、低消費電力で長時間の通信が得意な通信規格としてホームセキュリティや見守りサービスに、また、Wi-SUNは電気やガス、エアコン、エコキュートなど、実にさまざまな通信規格があります。いずれも最終的には、Wi-FiルータとIoTゲートウェイボックスを通じて、クラウドのサービスにつながっていくでしょう。このセットは、将来的に各家庭で必要になると予想します。
 

I・Oデータで開発中の「IoTゲートウェイボックス」
※写真は参考展示品で、商品発表時に外観や色が変更になる場合がある


――クラウドサービスも多岐にわたりますね。

平林 当社独自のCloudサービスのほかにも、アマゾン社のAWS、マイクロソフト社のAzureなどあり、これらのクラウド上でOPTiM社やSORACOM社などが自社のアプリでさまざまなサービスを提供しています。しかし、いくらサービスが豊富にあっても、安定してセキュアな通信環境が担保されなければ意味がありません。IoTゲートウェイボックスは、まさにこれらのサービスの中心となる機器です。

――IoTゲートウェイボックスには、Raspberry Piが使われていますが、狙いはどこにあるのでしょう。

平林 Raspberry Piは、オープンハードウェアなので各種サービスに応じた独自のソフトウェアを自由に利用できるのが特徴です。当社では2月中旬からRaspberry Piと周辺のセンサやカメラモジュールなど6製品を発売します。1年間の無料修理保証や国内メーカーの安心感も差異化ポイントです。また、教育機関などでのプログラミング教育では自分たちで作ったソフトウェアを実装するハードウェアが必要になり、そのときにRaspberry Piが活躍します。今後、すぐに利用できるスタートキットも発売する予定です。IoTビジネスは、最初はBtoBからの展開が多いでしょうが、コンシューマ・ビジネスに波及するでしょう。実際に当社では宮古島全島約200世帯のEMS実証事業に参加して、HEMSコントローラとしてのノウハウも蓄積しています。今後のビジネスに生かしていくことになります。
 

IoTゲートウェイボックスでは「Raspberry Pi」を採用している