市場参入でサーバービジネスの立て直しへ

 レノボ・ジャパン(レノボ、留目真伸社長)は、米OPSWATのセキュリティソフトウェア「OPSWAT Metadefender」とレノボのサーバー製品を組み合わせたセキュリティソリューションの販売を開始した。サーバー、ストレージなどのエンタープライズ製品を含むデータセンター事業の売り上げが減少傾向にあるなかで、ソフトとハードの組み合わせによるソリューションの提供で今後の事業成長を描くレノボだが、同社として、セキュリティ関連製品を提供するのは今回が初めて。(前田幸慧)

 OPSWAT Metadefenderは、最大約30種類に及ぶマルウェア対策エンジンを併用し、検知率を向上できる既知のマルウェア対策、ファイルの無害化による未知のマルウェア対策、250以上のアプリケーション、1万5000以上のバージョンを対象に、ぜい弱性を検出する既知のぜい弱性対策機能を提供する。同製品を開発するOPSWATは、2002年に米国で設立。とくに重要インフラ事業者からの評価が高く、グローバルで1000社を超える企業への導入実績をもつ。昨年12月に日本法人を設立しており、今年1月に開催したメディア向けの発表会では、レノボが昨年4月に開始したパートナープログラム「Lenovo Togetherプログラム」へ参画し、同社のサーバー製品と組み合わせて製品提供を行うことを明らかにしていた。
 

橘 一徳
データセンター
ソリューション事業
ソリューション営業本部
本部長

 レノボでは今年、サーバー、ストレージなどのエンタープライズ向け製品で構成されるデータセンター事業の重点施策として、従来から展開してきたハードウェアやOS/仮想化ソフトから、Software Defined Infrastructure(SDI)を中心としたミドルウェア、アプリケーションソフトウェア、クラウドへと拡大し、ソフトウェアやサービスを含めた「トータル・ソリューション」の提供を強化する方針。今回のOPSWATとの提携はこのうちのアプリケーション層の強化第一弾にあたる。とくに今回、レノボとしてはセキュリティ市場に本格参入することになったわけだが、橘一徳・データセンターソリューション事業ソリューション営業本部本部長は、「かねてより、セキュリティへの取り組みが弱いと感じていた」という。IT業界のなかで成長軌道にあるセキュリティ市場への参入で、データセンター事業の売り上げを伸ばす狙いがみえる。

 現在、ハードウェア市場全体が縮小傾向にあるなかで、レノボのサーバービジネスも同じく苦境のただ中にある。17年3月期の通期業績において、同社グローバルにおけるデータセンター事業の年間総売上高は10.6%減の41億米ドルだった。橘本部長は、「今後新しい製品も出てくる予定」と、ラインアップの拡充も示唆している。ハードとソフトを組み合わせたソリューションビジネスを中心に、サーバービジネスを立て直していく姿勢がうかがえる。
 

早川哲郎
ソリューション営業本部
ソリューション&
製品技術部担当部長
レノボ・サーバー・
エバンジェリスト

 今回のOPSWAT Metadefenderの提供については、早川哲郎・ソリューション営業本部ソリューション&製品技術部担当部長 レノボ・サーバー・エバンジェリストは、「技術検証を行い、最適な環境で提供できる」ことが強みだと説明。橘本部長は、「企業ユーザーにも無害化の波が広がっていくだろう」と、とくに無害化機能を訴求する構えで、「初年度(18年3月期)10案件を目指す」と語っている。