PTCジャパンは2019年1月から、ソフトウェア販売を完全にサブスクリプションへと移行することを明らかにした。現在、新規案件に関してライセンスの販売をストップしており、サブスクリプションだけを売るようにしている。利用期間は、「1年」「3年」「5年」を用意。ライセンスとサブスクリプションの価格を比較した場合、1年間の使用でサブスクリプションのほうがライセンスの約2分の1程度で済むという。少ない初期費用で導入できることを武器に、ユーザー企業を増やしていく。

吉崎哲郎
執行役員
 サブスクリプションでの提供を開始したのは15年。これまでライセンスと併売していたが、吉崎哲郎・ビジネスアライアンス営業統括本部パートナー営業本部執行役員は「CADを中心に、大手製造業ユーザーの過半数がサブスクリプションに移行している」と、大手ではサブスクリプションを望むユーザー企業が多いことをアピールする。

 一方、中小企業のサブスクリプション化は進んでいない。一度ライセンスを導入すると、なかなか新しいバージョンに切り替えるケースが少ないからだ。そのため、サブスクリプションへの完全移行は、まず中小企業に新しいバージョンを使ってもらうというのが狙い。吉崎執行役員は、「新しいバージョンを使えば、必ず使い勝手の良さを実感するだろう。しかも、サブスクリプションによって低コストで導入することができるため、新規顧客を開拓できるのではないか」と、パートナーである販社にとってビジネスチャンスがつかめると捉えている。

 また、サブスクリプションへの完全移行は、近い将来に事業の柱に据えようとしているIoT関連アプリケーション開発プラットフォーム「ThingWorx」やAR開発をサポートするライブラリー「Vuforia」の拡販も狙いとしている。「ユーザー企業は増えつつあるが、日本ではIoTやAR自体、言葉が先行していて、まだまだ浸透していないというのが正直なところ」と吉崎執行役員は漏らす。しかもライセンスだと、高いと感じるユーザー企業が多いのが事実という。そこで、スモールスタートが可能で、必要ないと判断すれば利用を停止できるサブスクリプションでユーザー企業を増やすというわけだ。IoTとARに関連するビジネスの売上比率に関しては、「CADビジネスの収益を増やしながら、23年までに50%にまで引き上げる」との方針を示している。

 「開発した新機能をユーザー企業に次々と使ってもらい、新しい価値を提供していく」(吉崎執行役員)という位置付けのサブスクリプション。販社にとっても「当社が提供する複数の製品で一貫したソリューションを提供できる可能性を秘めている。しかも、構築しているパートナーエコシステムによって、パートナー同士が得意分野を出し合って、ユーザー企業に最適なソリューションを提供することも可能だ」と断言する。まずは、サブスクリプション完全移行前の今年度(18年12月期)のパートナービジネスの売り上げで前年度比30%増を狙う。(佐相彰彦)