その他
Amazon Connectが東京リージョンでも利用可能に AWSの新たなキラーソリューション?
2018/10/18 09:00
週刊BCN 2018年10月15日vol.1747掲載
コンタクトセンターソリューションの“破壊的イノベーション”となるのか――。アマゾン ウェブ サービス(AWS) ジャパンは10日、クラウド型コンタクトセンターソリューション「Amazon Connect」を、数カ月以内にAWSの東京リージョンから提供すると発表した。Amazon Connectについては、「既存のコンタクトセンター向けソリューションを過去のものにしてしまう」とまで言い切るAWSパートナーもいる。昨年3月のリリース以降、日本の顧客からも多くの引き合いがあったという。満を持して東京リージョンでの提供計画を発表したAWSは、Amazon Connectを新しいキラーソリューションに育てようとしている。(本多和幸)
コンタクトセンターの“破壊的イノベーション”になるか
使った分だけ課金、スモールスタートが可能
Amazon Connectはコンタクトセンターを実現するためのシステムをAWSのクラウド上にソフトウェアで構築するサービスだ。米アマゾン・ドット・コムのコンタクトセンター向けに開発したものをサービス化した。
アマゾンはECを中心に増え続ける顧客に対して、8万4000人以上のカスタマーサービススタッフを揃えているが、「既存のソリューションではアマゾンの要求を満たすことができず、ユーザーに対して適切なサポートを行うためのテクノロジーが必要だった」(アマゾン ウェブ サービス ジャパン事業開発本部の安田俊彦本部長)という事情が開発の背景にある。例えば「Amazon Prime Day」のようなセールイベント時は、臨時で数千人のスタッフを追加し、翌日には元の規模に縮小するといったかたちでコンタクトセンターを運用する。オンプレミスで大規模なカスタマイズを伴うシステム開発を行い、コンタクトセンターのシート数に応じて課金するような従来型のソリューションでは、そうした運用に柔軟に対応するのは難しいわけだ。
こうした従来製品の課題に対する“ソリューション”として開発されたAmazon Connectは、AWS上に数クリックでコンタクトセンター機能を立ち上げ、すぐにコンタクトセンター業務を始めることができるという。安田本部長は「以前は数カ月かかっていたコンタクトセンターの構築が数分で完了する」と話す。
さらに、AWSの各種サービスとの連携や、協業を拡大しているセールスフォース・ドットコム製品をはじめサードパーティーベンダーの製品とのインテグレーションを容易にしているのも特徴だ。コンタクトセンターで収集した顧客とのコミュニケーションに関するさまざまなデータをCX向上に役立てたいユーザー企業は多いだろうが、Amazon Connectを核にして、ユーザー自身のアイデアを反映させたオリジナルのソリューション構築をしやすくする環境を整えているという。
また、料金体系も“クラウドネイティブ感”がある。Amazon Connectは、シート数やエージェント数ではなく顧客との総通話時間に応じて従量課金される。まさに、「初期投資なしで使った分だけ利用料を払う」かたちであり、スモールスタートに適した料金体系と言えるだろう。
既にエコシステム構築も着々と進む
現在、アジア太平洋地域でAmazon Connectを提供しているのは豪シドニーリージョンのみ。日本でも既に、シドニーリージョンのサービスを利用して自動音声応答システムを構築したり、低予算・短期間の新プロジェクトでCTI部分にAmazon Connectを採用するなどの事例が出てきている。しかし、「国内でデータを保持したい、遅延の少ないネットワークで使いたい、日本の地域番号(0ABJ)や0120などの無料通話番号を使いたいというニーズは大きく、東京リージョンでの提供を非常に多くのユーザーから要望されていた」(安田本部長)。その声に応えて東京リージョンでの提供を決めた。
今回の発表に合わせて、トランスコスモスがAmazon Connectを含むAWSのサービスをフル活用した次世代コンタクトセンターサービスを発表したほか、アドバンスト・メディアはコールセンター向けAI認識ソリューションとAmazon Connectの連携ソリューション開発を進めていることを明らかにした。トランスコスモスはAmazon Connectについて、「AWSの先進的なサービスと連携できることに大きな価値があるし、オンプレミス、クラウドサービスを問わず、従来ベンダーのソリューションに比べてコスト的にも有利になるケースは非常に多いはず」と評価している。
国内では、APNコンサルティングパートナー10社以上が既にAmazon Connectの導入支援を手がける意向を示しており、準備を進めているという。
コンタクトセンターソリューションの“破壊的イノベーション”となるのか――。アマゾン ウェブ サービス(AWS) ジャパンは10日、クラウド型コンタクトセンターソリューション「Amazon Connect」を、数カ月以内にAWSの東京リージョンから提供すると発表した。Amazon Connectについては、「既存のコンタクトセンター向けソリューションを過去のものにしてしまう」とまで言い切るAWSパートナーもいる。昨年3月のリリース以降、日本の顧客からも多くの引き合いがあったという。満を持して東京リージョンでの提供計画を発表したAWSは、Amazon Connectを新しいキラーソリューションに育てようとしている。(本多和幸)
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