「Red Hat Forum Tokyo 2018」の基調講演に登壇したジム・ホワイトハーストCEO
ホワイトハーストCEOは、11月8日に都内で開催された年次イベント「Red Hat Forum Tokyo 2018」のため来日した。開催直前にIBMによる巨額買収が発表され、一時は来日が危ぶまれたが、当初の予定通り、この日の基調講演や報道関係者とのミーティングに出席。買収手続きに関して米規制当局の承認を得ていない段階にあるため、将来の具体的な戦略については言及を避けたが、買収に応じた理由や今後の事業運営の基本的な方針について時間をかけて説明した。
レッドハットは商用Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」のサポートを収益の中心としてきたが、直近ではソフトウェアやクラウド環境の開発・運用ツールを伸ばしており、全社の売り上げは直近の66四半期連続で増収を果たしているという。単独で業績が好調であるにもかかわらず、IBMグループ入りを決断したのは、「オープンソースの影響力を、エンタープライズ市場でさらに高めるため」とホワイトハーストCEOは説明する。レッドハットはグローバルで1万2000人以上の従業員を抱えるが、大多数は技術者で、営業部隊は1000人ほどだという。伝統的な大企業がオープンソースの採用を拡大するには、各国の市場や業種ごとのニーズに精通したIBMの営業力を活用するのが早道と判断した。