ウエスタンデジタルジャパンは、フラッシュストレージ「IntelliFlash」シリーズを発売し、企業向けストレージシステムの国内展開に向けた取り組みを本格的に開始した。

エンタープライズセールスの河野通明シニア・ディレクター(右)と
首藤憲治技術担当ディレクター

 オールフラッシュ化が進む企業向けストレージ市場では、ウエスタンデジタルジャパンは後発組と言える。競合となるストレージベンダーは数多く、市場に割って入るのは容易ではない。

 IntelliFlashの優位性としてエンタープライズセールスの河野通明シニア・ディレクターは、「独自機能は正直少ない。しかし、HDD/SSDを自社内で調達できるため、コスト競争力のある製品を提供できるほか、製品開発のスピードも速い」と、HDD/SSDメーカーとしての強みを強調した。

 販売チャネルはデバイス系が中心で、SIerへのアプローチが弱い。そこで河野シニア・ディレクターは、国内出荷前検証の実施により、SIerとの関係強化を狙う。

 ストレージベンダーは通常、海外の工場から日本のSIerにストレージ製品を直接送り、検証を任せている。これがSIerの大きな負担になっていると考え、米国工場で製造したストレージ製品を一度日本の工場に送り、日本の基準に合わせて検証を行い、SIerに届けることに取り組む。ウエスタンデジタルジャパンは、国内に製造と開発の拠点を持つため、これを有効活用するというわけだ。

 今回は、検証用設備「EBC Storage Lab」として藤沢工場内に5月に開設する予定。さらに7月までにSIerが検証に立ち会えるよう、体制を整える。すでに2社のSIerがパートナーに名乗りを上げているという。

 IntelliFlashが狙う市場として、首藤憲治技術担当ディレクターは「HCIは、サーバーとストレージが分離することで効率が悪くなる3ティアモデルの課題を解決した。しかし、大規模にスケールさせることの難しさ、ネットワークの遅延、ハイパーバイザーの利用によるオーバーヘッドなどの課題がある」と説明。HCIから3ティアモデルに戻ろうという動きがあり、そこにIntelliFlashが当てはまるという。

 また、今後の事業戦略として、HCIの次のアーキテクチャーとして注目が高まっている「ソフトウェア・コンポーザブル・インフラストラクチャ(SCI)」に取り組む。SCIは、コンピュートとストレージでの大容量転送や、柔軟なストレージ構成を可能にすることで、3ティアモデルやHCIの課題を解消する。

 SCI向け製品として18年にリリースした1TBの転送に対応した「OpenFlex」を拡張する。「SDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)ベンダーにAPIを公開しており、来年か再来年にはSDS対応のOpenFlexを投入する予定」と首藤ディレクターは意気込む。(山下彰子)