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ESET軸にセキュリティー事業を再編・強化 EUのデータ保護の知見を生かしたEDRも投入――キヤノンマーケティングジャパン

2019/05/12 12:30

週刊BCN 2019年04月29日vol.1774掲載

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ、坂田正弘社長)は、ウイルス対策のESET(イーセット)事業で、二つの新製品を投入した。一つは、未知の脆弱性に対する攻撃の事前予防を実現する「Dynamic Threat Defense」、もう一つは外部からの不正侵入などを受けた後の対処を支援する事後対処(EDR)製品「Enterprise Inspector」である。キヤノンMJのESET事業ではウイルス対策製品を国内に展開してきたが、事前予防とEDRの追加により、高度な対策が求められる大企業のニーズに応えていく。

 ESETは、欧州連合(EU)加盟国であるスロバキアの企業である。そのため、地元EUのデータ保護規則(GDPR)に準拠するべく、製品開発に取り組んできた。EDR製品もその一つ。

 ESETの本社で製品企画を担当するミハエル・ヤンケ・プリンシパルプロダクトマネージャーは、「万が一、個人情報などのデータを盗まれたとしても、当局への報告や再発防止の対策を立てるのにEDR製品が役立つ」と話す。
 
キヤノンMJの山本昇本部長(左)と
ESETスロバキア本社のミハエル・ヤンケ・プリンシパルプロダクトマネージャー

 ESET製品の販売を担うキヤノンMJは、今年に入って体制を大幅に変えた。これまでグループ各社が担っていたセキュリティー事業をキヤノンMJに集約。この再編によって、キヤノンMJ本体が中心となって、セキュリティー事業にまとまった規模の投資を行える体制を整えた。

 キヤノンMJではESETのほか、情報漏えい対策の「GUARDIANWALL」や次世代ファイアウォールの「Clavister」など、セキュリティー関連の製品群が充実している。しかし、24時間の運用監視などのセキュリティーサービスは、他の大手SIerと比較すると、強化が求められている部分でもある。こうした事情を考慮し、キヤノンMJの山本昇・エンドポイントセキュリティ企画本部本部長は「セキュリティーのサービス商材を一段と拡充させていく」と語る。

 キヤノンMJのESETを軸とするセキュリティー事業の直近の売り上げは、約80億円。製品・サービスの両面で商材の充実を進めていくことにより、2021年には100億円を目標に伸ばしていく方針だ。(安藤章司)
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キヤノンマーケティングジャパン=http://canon.jp/