ピー・シー・エー(PCA、佐藤文昭社長)とSmartHR(宮田昇始社長)は7月19日、両社製品の連携を年内に実現すべく協業すると発表した。これにより、両社とも従来の顧客層とは異なるユーザーへのアプローチを加速したい考えだ。

 PCAは同26日、中堅企業向けの新たなクラウドERP製品である「PCA hyper」シリーズの第2弾として、給与計算と人事管理モジュールの「PCA 給与 hyper」「PCA 人事管理 hyper」をリリースした。これに先立ち、PCA 給与 hyperや中小企業向けクラウド給与計算ソフトの「PCA給与DXクラウド」を、社会保険手続きなどを自動化するSmartHRの人事労務ソフト「SmartHR」と「PCAクラウド Web-API」経由でシームレスに連携させる構想を明かした。
 
PCAの伊藤真一郎部長(左)とSmartHRの倉橋隆文COO

 具体的には両製品の従業員情報と給与明細情報の連携を予定しているという。従業員情報の連携により、それぞれのシステムに同じ情報を二重で入力する手間がなくなるほか、PCA製品側で計算した給与情報をSmartHRのマイページ上で従業員が閲覧できるようになり、紙の給与明細の配布が不要になる。

 PCAはDXクラウドシリーズでPCAクラウド Web-APIを使った連携ソリューションを拡充してきたが、同じアーキテクチャーで開発したhyperシリーズでも同様に“APIエコノミー”で製品の付加価値を高めていく方針であることをアピールしたい考えだ。

 同社の伊藤真一郎・戦略企画部長は「PCA hyperシリーズをリリースするにあたって、PCAにとっては新たなチャレンジになる中堅企業層の新規顧客開拓で大きな武器となる付加価値が欲しかったし、中堅上位~大企業は2020年4月から社会保険手続きの電子申請義務化がスタートするので、そこに対する新しいパートナーソリューションも必要だと考えていた」と協業の背景を説明する。

 一方のSmartHRは、中小零細企業から大企業まで、企業規模を問わずユーザー数を伸ばしている。7月22日には61億5000万円の資金調達を行い、累計調達額は約82億円になり、さらなる成長に向けて投資を拡大する方針だ。

 給与計算アプリケーションとの連携も、freeeやマネーフォワードなどクラウドネイティブな新興ベンダーとの間ではすでに実現しているが、「PCAのような老舗ベンダーとの連携により従来アプローチできていなかった顧客層とも接点を持つことができると期待している」(倉橋隆文・取締役COO)という。PCAとの協業により、PCAの販売パートナーが顧客にSmartHRを提案するケースなども想定されるため、従来はオンラインマーケティングと直販のみでビジネスを拡大してきたが、販売チャネルに関するパートナープログラムなども検討していく。(本多和幸)