セイコーエプソン(碓井稔社長)とエプソン販売(鈴村文徳社長)は11月19日、毎分100枚(カラー/モノクロ)の高速印刷が可能なインクジェット複合機「LXシリーズ」の新製品を発表した。来年2月上旬に販売を開始する。従来製品で弱点となっていたフィニッシャー(ステープル装置)の速度を改善したほか、新たに普及価格帯モデルを追加した。また、学校向けの特別価格を用意し、文教市場での営業活動を強化する。

毎分100枚の高速印刷が可能な「LX-10050MF」

 LXシリーズは、ヘッドが往復運動しながらインクを吐出する従来のインクジェットプリンタとは異なり、固定されたヘッドの下へ紙を通すことで印刷する方式を採用したモデル。オフィスで一般的に用いられるレーザー方式の複合機と同等以上の高速印刷が可能で、エプソンは2017年、A3レーザー複合機市場をインクジェット方式で置き換えることを目的として発売した。レーザー方式に比べて消費電力を大幅に削減できるほか、定期交換部品が少なく保守が容易なことがメリットとして挙げられている。

 シリーズ2代目となる新製品では、従来からある毎分75枚、100枚の高速機に加え、毎分60枚の中速機を追加。税別170万円と、他社レーザー複合機の毎分45枚モデル並みの価格に設定した。

 売り切り形態のほか、機器とインクをサブスクリプションで提供する「オールインワンプラン」も用意する。例えば、毎分100枚モデルを5年契約で導入した場合、ユーザーは月額7万円を支払うことで、毎月カラー3000枚・モノクロ1万7000枚までが印刷し放題となる。今回、このオールインワンプランに、文教ユーザー限定の「アカデミックプラン」を追加。同プランでは月額6万円でカラー・モノクロ問わず毎月4万枚まで使い放題となり、一般企業向けに比べ大幅に安い価格設定とした。
 
エプソン販売 鈴村文徳社長

 エプソン販売の鈴村社長によると、従来機ユーザーで最も多い業種が学校で、全体の約4分の1を占めるという。教材や試験など大量の印刷需要に対し、コストや環境性能で有利な点が評価された。文教市場はレーザー複合機の牙城を崩す足かがりになると判断し、営業リソースを戦略的に重点投入する。また、教育委員会単位での導入の場合、複数の学校に設置した機器間で印刷枚数をプール可能にするなど、契約形態にも柔軟性をもたせる。鈴村社長は「オールインワンプランなら初期費用なしで導入が可能で、複数の機器のコストを一括して月額サービス化できる」と述べ、提案の幅を広げ収益性を高める目的でも、オールインワンプランは有効な提供形態だと説明した。(日高 彰)