JBアドバンスト・テクノロジー(JBAT、藤岡英二社長)は、業務ソフト向けのAPI接続プラットフォームサービスの拡大を推進している。サービス名は「Qanat Universe(カナートユニバース)」で、財務会計や販売管理、ワークフローなど異なるベンダーの業務ソフトのAPI接続口をつなぎ、データを連携させる。業務ソフト同士をAPI接続する標準的なプラットフォームはまだ確立されていないとJBATでは見ており、この領域での「デファクトスタンダードになる」(菅岳大・マーケティング部部長)目標を掲げている。

菅 岳大部長(左)と福島 毅部長

 「Qanat Universe」は今年10月、オービックビジネスコンサルタント(OBC)の業務ソフト奉行シリーズのAPIに対応。ほかにも主要な業務ソフトやAI(人工知能)、OCR(文字認識)といった各種のクラウドサービスのAPIに標準で対応していくことで、業務ソフト領域におけるAPI接続の普及を促進していくとともに、同領域における標準的なプラットフォームとしての地位確立を狙う。直近では約40種類の業務ソフトのAPIに対応しているが、これを早い段階で200種類に増やしていく。

 サービスの提供形態は月額課金を基本としており、業務ソフトのAPI接続口の仕様変更にも、月額料金の範囲内で「Qanat Universe」側で対応する。業務ソフト毎に異なるAPI接続の仕様や、その後の仕様変更への対応も「Qanat Universe」側で行うことで、システム構築を担当するSIerやユーザー企業の費用的な負担を軽減する効果が見込める。

 JBATは、もともとデータ連携基盤ソフトの開発を手掛けてきたが、近年、主要な業務ソフトパッケージベンダーがAPI接続口を設けて、e-Gov(イーガブ、電子政府の総合窓口)などとAPI連携をするケースが増えている。だが、異なるパッケージベンダー同士をAPI接続する際には、そのための仕組みを個別に構築するケースが依然として多く、開発費がかさむことから「実際のところAPI連携はあまり進んでいない」(福島毅・ソフトウェア開発クラウドサービス部部長)のが実態であると指摘する。

 普及促進に向けて業務ソフト同士のAPI接続のモデルケースもJBAT側でいくつか用意している。例えば、「手書き書類のデータ入力」のケースでは、手書きOCRでテキスト変換→データベースを参照しながらの校正・修正→受注・請求処理といった一連の異なるアプリケーション同士の連携を「Qanat Universe」で実現している。動作検証済みのモデルケースを販売パートナーであるSIerに提供していくことで、API連携の利便性を体験してもらうとともに、ユーザー企業への提案に役立ててもらう。

 業務ソフト分野におけるAPI接続プラットフォームサービスを巡っては、豆蔵ホールディングスグループのROBON(ロボン)が、会計ソフトと税申告パッケージのデータ連携を自動化するサービスを提供するなど、API接続プラットフォームの主導権争いが活発化している。(安藤章司)