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SAPジャパン 鈴木常務が社長昇格へ 福田社長は国産事業会社のCIOに就任予定

2020/01/20 09:00

週刊BCN 2020年01月13日vol.1808掲載

 SAPジャパンは1月6日、福田譲社長が3月末で退任し、鈴木洋史・常務執行役員インダストリー事業統括が4月1日付で社長に就任する人事を発表した。福田社長は退任後、「日本の事業会社にCIO兼デジタル変革(DX)推進担当役員として入社する予定」(同社)だ。

4月1日付で社長に就任予定の
鈴木洋史・常務執行役員

 鈴木常務執行役員は2015年にSAPジャパンに入社。社歴は浅いが外資系ベンダーでのエンタープライズ向けITビジネスのキャリアは豊富で、SAPジャパン入社後もコンシューマー産業向けビジネスの成長に大きく貢献したという。18年1月に現職に就き、「全業種の大企業顧客を統括し、SAPジャパンのビジネス成長を牽引してきた」ことが評価された。

 一方、福田社長はSAPジャパン初の生え抜き社長として14年に就任。在任中、SAPは単なるERPベンダーからビジネスのためのITプラットフォームとアプリケーションを提供する総合的なポートフォリオを持つベンダーへと本格的にシフトした。そうした同社の変化を日本市場にも浸透させる役割を担った。SAPは今回の社長交代の発表にあたって、「(福田社長は)イノベーションを醸成するオープンなデジタルエコシステムづくりを推進、お客様企業幹部との堅固な信頼関係構築に注力し、さらに働きがいのある職場としての企業文化醸成にも尽力してた。その結果SAPジャパンのビジネスは大きく成長した」としている。

 週刊BCNの取材に対して福田社長は、日本企業について、データ駆動型でインテリジェントなビジネスや組織に変革し、グローバル市場で競争力を持たせるための方法論を確立しつつあるという手応えを語っていた。一方で、「今までどおりでいいと考えている企業や経営者は、SAPと付き合う必要がない」とコメントしたこともあり、DXへの取り組みがムーブメントとしてなかなか拡大しない日本国内の状況に苛立ちに近い感情を覚えているのではとうかがわせることがあった。事業会社に立場を移してどのような取り組みを進めることになるのか、IT業界からの注目度も高い。(本多和幸)

鈴木洋史・常務執行役員の経歴

 1990年、創価大学経済学部卒。日本IBM スマーター・コマース事業担当理事、JDAソフトウェア・ジャパン代表取締役社長、JDAソフトウェア アジアパシフィック地域副社長、i2テクノロジーズ・ジャパンセールスディレクターなどを経て、2015年、SAPジャパンにバイスプレジデント コンシューマー産業統括本部長として入社。18年1月に常務執行役員インダストリー事業統括に就任(現職)、全業種の大企業顧客を統括している。
 
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外部リンク

SAP=https://www.sap.com/japan/