New Relic(ニューレリック、小西真一朗代表取締役)は、システム運用を通じてビジネス動向や顧客体験を可視化する手法で販売数を伸ばしている。SaaS方式の業務アプリケーションやネットビジネスを手掛けているユーザー企業を中心に国内ユーザー数は500社を突破。エンドユーザーの利用履歴から受注や売り上げの状況を把握したり、設計した通りの顧客体験を得られているかどうかをリアルタイムで可視化。システム運用とビジネスを融合させることで、運用業務の効率化やサービス品質、競争力の強化につながることがユーザー企業から評価されている。

宮本義敬副社長(右)と七戸駿マネージャー

 サーバーやネットワークの監視といったシステム運用は、これまで売り上げや利益に直結しないケースが多かった。そこで、New Relicでは、システム運用とビジネスを融合させて、「ビジネスの責任者がシステム運用の責任も担う」(宮本義敬副社長)手法を提唱。サービスの品質や顧客体験の向上の実効性を高めることで、従来のシステム基盤やアプリケーションの負荷具合や処理速度の監視を主眼とするシステム運用のあり方を根本から変えようとしている。

 SaaSやクラウドサービスの品質を効率よく維持する手法として、開発や運用の組織と売り上げや利益といったビジネス責任の組織を一体化させる「サイト信頼性エンジニアリング(SRE)」の手法が関心を集めている。New Relicはこの部分を統合する「プラットフォームとしての機能を担い、SREのコンセプトの実践に役立つシステム運用ツール」(七戸駿マーケティングマネージャー)という位置付けだ。

 直近では、ウイングアーク1stの帳票クラウドサービス「SVF Cloud」で、「New Relic」を活用した事例をこの3月に発表。New RelicによってSVF Cloudのシステム運用とサービス品質を統合し、業務の工数をおよそ8割削減。パッケージソフトの売り切り型からクラウド方式によるサービス型の比率が高まるのに伴い、システム運用の工数ばかりが増える課題を解決している。単純計算でこれまで5人がかりでシステムを運用していたのを1人で行うイメージとなる。

 システム運用から解放された人員は、商品の価値を高める開発やビジネスの拡大に割り振ることが可能になる。月額課金のSaaS方式の業務アプリケーションやネットビジネスでは、アプリケーションの反応速度や品質、使い勝手といった顧客体験を維持向上させることで解約リスクの低減、利用率の向上につながる。

 ウイングアーク1stのほかにも、国内では名刺管理のSansan、決済サービスのGMOペイメントゲートウェイなどここ数年で利用者数が500社に達しており、「この勢いを一段と加速させていく」(宮本副社長)方針。グローバルでは1万8000社が利用しているという。(安藤章司)