日本マイクロソフトは5月27日、オンラインで記者説明会を開催した。中堅、中小企業やスタートアップ企業のコロナ禍の事業継続事例を紹介したほか、コロナ後のニューノーマル(新常態)の実現に向けた道筋を示した。

三上智子 執行役員

 同社の三上智子・執行役員コーポレートソリューション事業本部事業本部長は「新型コロナウイルス感染症で世の中が大きく変化し、今まで起きそうで起きなかったデジタル変革が世界中で起きた」と述べた。

 具体的には、昨年11月に2000万人の利用者数だったコラボレーションツール「Microsoft Teams」は、4月末時点で7500万人が毎日利用。「Windows Virtual Desktop」の利用も3月28日時点で3倍に伸びているとした。

 日本の状況については、4月の緊急事態宣言の後、リモートワークの需要が急激に伸びたと紹介。同社がヒアリングを実施した中堅、中小企業1246社のうち、5月26日時点で半数がリモートワークに取り組んでいることを示した。

 すでに大きな成果につながっている例もある。説明会では、幅広い業種の導入事例を紹介し、Teamsなどが顧客の事業を支えていることをアピールした。

 この中で、山口、広島、福岡の3県で銀行を展開する山口フィナンシャルグループIT統括部の來島友治氏は、Microsoft 365(Teams)とSurfaceを活用した環境整備を進め、3月初旬から店舗での窓口業務など、対面対応が必要な社員以外は基本的にテレワークに移行したことを紹介した。

 來島氏は「2月下旬でテレワーク用PCは100台だけしかなく、600台が不足していたが、営業担当用に準備していたSurfaceを代替して準備した」などと具体的な導入過程を説明。一方、通信回線のひっ迫を課題として挙げたが、「社内ポータルサイトへの注意喚起や通信経路の変更で、現時点では何とか踏ん張っている」と話した。

 一方、今後の計画については「BCP(事業継続計画)対策として、テレワーク環境をきちんと整備する必要がある。大規模なリモートワークに備えBYODの検証なども進めていく」と語った。

 日本マイクロソフトの三上執行役員は、緊急対応としてのリモートワークへの移行に加え、コロナ後の事業回復への対応を経て、段階的にニューノーマルの実現を目指すべきと強調。その上で「パッチワーク的にやってきたリモートワークを本当に会社として実装するために、紙ベースのプロセスのデジタル化やセキュリティのガバナンス、オペレーションの自動化など、いろいろな手当てをしていく必要がある」と語り、今後も取り組みを継続する重要性を訴えた。プロダクトの提案のみならずニューノーマル実現に向けたノウハウ、ナレッジの共有なども積極的に行い、顧客への支援策を拡充していく方針だ。(齋藤秀平)