グーグル・クラウド・ジャパンは6月9日から11日まで、同社法人向けクラウドサービスの最新動向を披露するオンラインイベント「Google Cloud Day:Digital」を開催した。

平手智行 代表

 初日の基調講演と報道関係者向けの説明会に出席した平手智行代表は「多くの企業が、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)によってもたらされた変化を受け入れなければいけない、新しいビジネスを開拓しなければならないと考えている」と述べ、新型コロナ禍でより多くの企業が変革を迫られていることを指摘するとともに、同社ではグーグル・クラウドの技術を活用して日本企業の“ニューノーマル(新たな常態)”への対応を支援する方針を説明した。また、SIerやコンサルティング企業とのパートナーシップ強化を推進しており、アビームコンサルティング、日立製作所、SCSKが新たにグーグル・クラウドのサービスパートナーに加わったことを紹介した。

 平手代表は、新型コロナ禍でリモートワークやクラウドアプリケーションの導入が急拡大した中、ウェブ会議システムのセキュリティやVPN設備の容量など、多くの企業で課題が顕在化したことを振り返った。そして、この状況に対応するためのIT人材の不足や、非対面型ビジネスへの転換などが経営課題として挙がったことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が日本社会でもいっそう強く認識されたとの見方を示した。

 同社では4月以降、ウェブ会議サービス「Meet」の一時無償化や、サーバーレスのアプリケーション実行環境「Cloud Run」によるECサイトの負荷軽減など、ツールの提供で企業を支援したが、平手代表は顧客企業から最近よく聞かれる要求として「データを活用した競争力強化」「モノリシックなシステムの疎結合化」「属人的かつ専門的知識を要求される業務自動化のための、機械学習・AIの活用」などを挙げ、今後はグーグル・クラウドの機能を活用し、このようなDX推進における企業の課題解決に取り組んでいくと強調した。

 また、パートナー戦略を説明した高橋正登・執行役員パートナー事業本部長は「パートナー各社からは『グーグルの技術を使うことで、これまでできなかったことをやりたい』という声をもらうことが多い。企業ごとの文脈に合わせて、当社のテクノロジーを適切に組み合わせて使っていただきたい」とコメント。同社が提供する技術の多くはグーグル自身のサービス提供のために開発されたものだが、必ずしもユーザー企業の業務にそのまま適用できるとは限らない。そこで、ユーザー企業の業務を熟知したパートナーが、グーグル・クラウドの技術から最適なものを取り出して再構築することで、ユーザーの課題解決を早めることができると説明した。

 同社ではグーグル・クラウドを活用したインフラ構築、アプリケーション開発、データ分析などのトレーニングプログラムをパートナー各社に提供してきたが、7月より新たにDX人材育成のメニューを用意する。技術に精通しながらビジネス変革も主導できる人材の拡充を急ぐ。(日高 彰)