日本ヒューレット・パッカード(HPE)は6月18日、ネットワークの運用自動化など、ネットワークに求められる諸機能を統合したソフトウェア「Aruba(アルバ)ESP(エッジ・サービス・プラットフォーム」を発表した。

米Aruba キルティ・メルコーテ 社長

 同社はスイッチや無線アクセスポイントに加えて、それらを統合管理するクラウドベースの運用ツール「Aruba Central」や、ユーザーや端末に応じてアクセス権を制御する認証基盤「Aruba ClearPass」などを提供してきたが、今回のESPはそれらを発展・統合したソフトウェアベースのソリューションで、オンプレミス/クラウドのいずれでも動作が可能。Arubaブランドのネットワーク機器を利用するユーザー自身による導入・運用のほか、パートナーによるNaaS(Network as a Service)の形態でも展開が可能となっている。

 同日オンラインで開催したグローバルイベント「ATM Digital」で、Aruba共同創業者兼社長のキルティ・メルコーテ氏は、オフィス、店舗、工場といった“エッジ”で大量のデータが生成されている点について触れ、「それらのデータをエッジでどのように活用するかが課題となっている」と指摘。これからのネットワークは単にデバイスを接続すればよいのではなく、デバイスやデータを保護する、データを分析する、分析結果に応じてアクションを起こす、といった機能が必要になるとし、今回発表したESPはそのためプラットフォームであると説明した。

 ESPでは、機械学習技術の活用により、ネットワークの問題を自動的に発見・修正することができるといい、問題解決までの時間短縮や、ネットワーク容量の使用効率向上といった効果が期待できる。また、データセンター、各拠点、無線LANなどの運用の一元化や、ネットワークに接続する全てのユーザーおよび端末の認証と動的な制御が可能。さらに、パートナーが独自の付加価値を統合するためのAPIが整備されている。
 
HPE 田中泰光 執行役員

 これらの機能が、ネットワーク機器自体から切り離されたソフトウェアプラットフォームとして提供されるのも特徴。HPE日本法人でAruba事業を統括する田中泰光執行役員は、「ネットワーク製品のハードウェアはオンプレミスに置かれるものなので変わらないが、ネットワークの管理・運用はサービス化がさらに進んでいく」と話し、ESPのリリースに合わせてNaaS型の提供モデルをさらに拡大していく考えを強調。既にAruba製品を活用して、日立システムズがネットワーク運用のマネージドサービス、IIJグループがWANとLANの統合サービスを手がけているほか、大塚商会や横河レンタ・リースが無線アクセスポイントなどの導入・運用支援サービスを中堅・中小企業向けに提供しているという。

 田中執行役員は、新型コロナウイルス禍による働き方の急変で、ESPで提供する各種機能や、ネットワーク運用代行へのニーズがさらに高まることから、「より多くのNaaSベンダーが登場する」と述べ、2022年にNaaS型での提供モデルを国内売り上げの半分に伸ばしていくとの方針を示した。(日高 彰)