データアナリティクス基盤を展開する日本テラデータ(髙橋倫二社長)は6月26日、AIによるデータ分析プロセス自動化ソリューションを提供する米dotData(藤巻遼平CEO)と包括的な協業体制を整備したと発表した。今回の協業により、米テラデータのパートナープログラムに米dotDataが加入したほか、テラデータのデータアナリティクス基盤「Teradata Vantage」が米dotDataの「AutoML 2.0プラットフォーム」に対応。両社の製品を活用することでデータの整理や加工、分析、システム全体の運用にかかる負荷を軽減できるようになる。

 Teradata Vantageは受注データや在庫状況、顧客データなど企業内に散在する各種データを統合、構造化し、さまざまな言語やツールでの分析を可能にするアナリティクス基盤。データ分析で利用される主要な言語と可視化・分析ツールをサポートしており、ユーザーは既存の環境を活用して運用できる。従来はオンプレミスのアプライアンスで展開してきたが、直近ではクラウド型の提供を開始している。

 一方、AutoML 2.0は、データから抽出する特徴量の設計や、AI・機械学習モデルの開発などのプロセスを自動化するソリューション。従来、これらのプロセスは多くのデータサイエンティストやデータエンジニアなど人手が必要な領域だったが、同ソリューションを活用することで多大な人材を用意することなく早期に課題解決に必要な知見を得られるようになるという。

 今回の協業ではAutoML 2.0のデータソースとして、Teradata Vantageを利用できるようになる。dotData Japanの森英人社長は「AutoML 2.0は何でもできるわけではなく、自動分析するための構造化されたデータを供給してもらう必要がある」と強調。日本テラデータとはwin-winの関係にあるとした。

 すでに両社の製品を利用しているのが、三井住友海上火災保険である。近年同社は顧客本位の運営と新たな顧客体験の提供を目指し、自社で保有するデータを本格的に活用できる体制の構築を推進してきた。19年にテラデータの製品を導入しデータの整理・加工したのち、20年からdotDataのソリューションによって分析の品質を向上させた。もともとユーザーニーズを把握するためのデータ分析人材を確保していなかった同社では、これによってAIモデルの開発スピードが10倍に向上し、現在新システムの分析結果は、代理店への支援システムに反映されている。顧客ニーズの分析結果をもとに、提案の最適なタイミングが示せるようになったという。

 三井住友海上火災デジタル戦略部の松村隆司・開発担当部長は「新システムは1年間ほどのトライアルを実施した。その中で顧客に提案した保険の特約・特典の付帯率は約2.5倍まで向上した。これは顧客にとって適切な提案ができている証しだ」と評価した。(銭 君毅)