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UiPath ディストリ向け新パートナー制度 第一弾はSB C&Sとの協業 RPA熱は止まず、さらなる拡販に向け攻勢

2020/11/19 16:01

週刊BCN 2020年11月23日vol.1851掲載

 RPAプラットフォームを提供するUiPathが、拡販体制を強化している。今年2月に営業部隊を強化し、10月には「UiPathディストリビューションパートナー制度」をローンチ。その第一弾として、大手ディストリビューターであるSB C&Sとの協業を開始した。同社のハイタッチ営業チームと連携し、全国の多種多様なユーザー企業に対して高度なRPAシステムを提案できる体制の基礎になる取り組みだ。

橘 一徳 本部長

 2017年から盛り上がりを見せているRPA市場は、大企業から導入が進んだ。18年から19年にかけてはユーザーがさらに拡大し、幅広い業種業態やさまざまな規模の企業で導入されるようになった。直近の新型コロナ禍においても、リモートワーク環境を整えるためのネットワーク、セキュリティ系の商材への投資が目立つものの、RPAをはじめとする生産性向上を目的としたIT商材への投資意欲が減退したわけではないという。橘一徳パートナー営業本部本部長は「多くの企業で、緊急対応としてまずはリモートワークが必須な状況になったが、今後の事業環境の変化が不透明な中で、生産性向上を継続的に追求していくことも重要。事業継続のためのインフラ整備と生産性向上を両輪で進めなくてはいけないと考える経営者は多く、RPAに対する投資マインドはますます旺盛になっている」と強調。案件数だけでなく規模も拡大しているという。

 同社は5月に、業務の現場でのRPA開発を可能にするシンプルな開発ツール「StudioX」や、業務システムなどを分析して自動化すべきプロセスの発見を支援する「Process Mining」などの提供を開始。ユーザーの裾野を広げつつ、よりRPA活用のメリットを多くの企業で享受してもらうためのポートフォリオ整備を進めてきた。この取り組みは功を奏し、実際に中堅中小企業を含め、ターゲット層が拡大している。

 10月に開始した「UiPathディストリビューションパートナー制度」は、顧客層の拡大に伴うチャネル整備施策の一環だ。製品ラインアップの充実により多くのユーザー層にメリットを提供できるようになったことに合わせ、販売網も強化する。橘本部長は「RPAが黎明期を過ぎて普及期に入っていく中、市場の競争は激化しているし、RPAの使い方としてもERPやCRMと連動させるようなエンタープライズITの一部として活用する動きが出てきた。市場のカバレッジを面で広げつつ、高度なRPAシステムをきっちりと提案していくにはパートナー網を強化する必要があると判断した」と説明する。

 この新制度の発表とともに、第一弾としてSB C&Sと協業することも明らかにしている。従来、UiPathの一次代理店は認定リセラーだけだったが、SB C&S経由でUiPath製品を扱う新規のリセラー開拓も進めていく。SB C&Sはリセラーに対して、マーケティング支援やテクニカルサポートに関する窓口、トレーニングメニューなども提供する。橘本部長は、「SB C&Sの全国の販売網を生かして、各地の中小企業支援の強化や、より幅広い地域への支援が可能になる」と期待を寄せる。

 SB C&Sとの連携は継続的に強化する方針。「RPAと他社製品を組み合わせたソリューションスタックやリファレンスアーキテクチャを一緒につくっていくイメージ。商品開発も進めることで認定リセラーが活動しやすいよう支援していきたい」(橘本部長)としている。(銭 君毅)
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外部リンク

UiPath=https://www.uipath.com/ja/