NECは、国が推進するオンライン学習システムに歩調を合わせる形で、教育クラウドサービス「Open Platform for Education(OPE)」の機能を拡充する。OPEは2020年7月から全国の小中学校約3万5000校を主なターゲットとして始めたサービスで、採用予定を含めて約5000校での導入が進んでいる。NECはOPEを文部科学省のオンライン学習システムと連携する入り口に相当する“学習ポータル”として機能させることで、最終的にはシェア3割の獲得を視野に入れる。

田畑太嗣 部長

 コロナ禍や震災のような災害発生時においても、児童生徒の学習を継続できる仕組みとして、国はオンライン学習システムの整備を進めている。NECのOPEはこの学習システムと連携するポータル(入り口)の位置づけで、ユーザー認証機能やアカウント管理機能、デジタル教材などのライセンス管理機能、学習の進み具合を可視化するダッシュボード機能などを提供する。

 ポータルの仕様については、文科省から2021年度以降に「学習eポータル」として指針が提示される見込みで、NECではこの指針に沿って「文科省の学習eポータルに準拠したサービスをOPE上で展開していく」(田畑太嗣・初中等教育マーケット担当部長)考え。

 OPEでは、学習記録や学力テストの結果、宿題の提出状況を一覧できるようにするとともに、学習効果や自分の学習上の弱点を把握し、効率的な学習ができるよう支援する。また教育委員会や学校が、どのデジタル教材が多く使われているのか把握したり、指導に効果的なコンテンツがあれば他の教員に紹介したりできる機能も強化していく。

 さらに、学習指導要領で「主体的で対話的な深い学び」の重要性が示されていることから、3~5人程度のグループディスカッションや発表をする機会が増える。これに対応してOPEではパソコンで生徒の会話を収録し、AIでディスカッションの内容を分析。グループのなかで誰がどのような会話をしたのかというデータを基に、「深い学びにつながっているかを検証できる」(田畑部長)機能の開発にも取り組んでいる。

 学習用端末では、国のGIGAスクール構想に沿ってChromebookとWindows 10から選べるようにしている。すでに100万台超の受注を達成しており、内訳はChromebookの受注のほうが多いという。デジタル教材や学習用コンテンツでは、教材の出版取次を手がける日教販と19年6月に協業を始めており、OPE上で使える教材についても日教販と協業を通じて拡充を進めていく。

 学習eポータルに準拠したサービスをOPEのシェア拡大や、学習用端末、ネットワーク機器の販売、デジタル教材の拡充といった教育支援サービスによって、NECでは21年度から25年度まで5年間の累計売上高で1000億円を目指す。(安藤章司)