セールスフォース・ドットコム(SFDC)は4月20日、事業部の一つであるMuleSoft Japanの2021年度の新戦略を発表した。パートナー企業との連携強化などに注力する方針で、MuleSoftソリューションで日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する考えだ。

MuleSoft Japan 小枝逸人 常務執行役員

 MuleSoft Japanの小枝逸人・常務執行役員は、同社が提供するAnypoint Platformについて「世界ナンバーワンの信頼性を誇るAPIインテグレーションプラットフォームだ」と紹介し、強みについては「あらゆる場所に格納されたあらゆるデータをアンロックし、いかなる環境からでも必要な時にリアルタイムにデータを活用することができる」と説明した。生産性が60~65%向上し、中には導入前の3倍のスピードでビジネスを進めているユーザー企業もあるという。

 パートナー企業との連携強化については「SFDCとともに、さまざまな業界の多くのパートナーと協力することが重要だと考えている」と強調し、「パートナーは、われわれよりもお客様に近い立場で、最もよくお客様のことを知っている。パートナーと歩調を合わせて、ともにデータの再利用を実現し、日本企業を世界レベルにするために力を合わせてやっていきたい」と意気込みを語った。

 MuleSoft Japanは、日本では導入支援を手掛けるSIerやコンサルファームなど23社とパートナーシップを結んでいる。今後は各パートナーの特徴や強みを生かすソリューションを提供するほか、ビジネス価値を拡大させるためのパートナープログラムを拡充する。その上で、セールスフォースやパートナーとともに、Anypoint Platformを活用して顧客のDXビジョンの実現を推進するほか、APIインテグレーション市場でナンバーワンのポジションを目指す。

 このほか、「日本市場に対するコミットメント」と「SFDCとのシナジー最大化」も注力分野に掲げた。日本市場に対するコミットメントでは、米国本社やAPACのベストプラクティスを継承しつつ、組織や製品、イネーブルメント、サービス、サポート体制を強化する。SFDCとのシナジー最大化では、さまざまなシステムに分散した顧客情報の統合を目指すSFDCのCustomer 360戦略を実現するデータインテグレーションを展開する。

 小枝常務は「SFDCは日本企業と一緒にこれまで成長してきた。MuleSoftも同様で、きちんと地に足をつけて経営し、お客様やパートナーとともに成長することを目指していく」と話した。

 発表会には、SFDCの林淳二・マーケティング本部プロダクトマネジメント&マーケティングシニアディレクターも出席し、「MuleSoftを統合したことで、全方位型のCRMソリューションの提供に向けて大きな相乗効果をもたらしたことは間違いない」とし、「MuleSoftは、業界における顧客中心型ビジネスのインパクトを飛躍的に大きくできる可能性を秘めている。SFDCのCustomer 360戦略とインダストリーソリューションをつなぎ、強化する上で、APIの民主化を掲げるMuleSoftは最も重要だ」と述べた。(齋藤秀平)