アドビは法人営業の強化に向けて、専門性を有する顧客支援チームを組織する。法人をSMB(中堅・中小企業)、エンタープライズ、教育・行政の3タイプに分類し、それぞれに専門営業を配置するほか、導入時の支援や導入後の顧客トレーニングなどを手掛けるカスタマーサクセス部門も設け、アドビのサービスを継続して利用してもらえるよう定着化を図る。6月29日にオンライン開催した報道向けの事業戦略説明会で、神谷知信社長が明らかにした。

神谷知信 社長

 アドビによると、支援チームは、既存の営業チームの中に、専門領域を持った営業部隊やカスタマーサクセス部門を置く形で組織される。拡充対象としては、コンサルティングサービスを提供する「デジタルストラテジーグループ」などを挙げた。コロナ禍を受け、業界や企業規模に関わらず、デジタルトランスフォーメーション(DX)が法人の喫緊の課題となっていることに加え、DXにまつわる課題が多様化していることから、専門性の高い人員による支援チームの立ち上げを決めた。

 法人向けではDXのコンサルティングサービスにも注力する。顧客の戦略・方針の策定段階から参画し、システムの導入計画や人材育成、実装、活用促進に至るまでトータルで支援していく。また、導入後のトレーニングについても手厚くケアしていくとした。

 今回の説明会は、今年4月に就任した神谷社長が国内事業戦略を初めて披露する場となり、神谷社長は国内事業の新たなビジョン「心、おどる、デジタル」を公表した。ビジョン策定にあたっては、3カ月にわたって社員らのヒアリングを行い、「デジタルでわくわくする世界を作っていきたい」(神谷社長)との思いを込めたとする。

 ビジョンを構成するの四つの柱として「Digitalize」(デジタル化)「Delight」(喜び)「Amaze」(驚き)「Foster」(育む)を設定した。 Digitalizeはペーパーレス化を通じて、あらゆる業務プロセスのデジタル化を進める姿勢を示し、Delightはデータを基にプロダクトや体験の価値を高め、顧客からの信頼を得るための施策を指す。AmazeはクリエイティブツールやAI技術の提供により、創造性のある社会の具体化に貢献することを表し、Fosterでは誰もがデジタル技術を使える環境づくり、次世代人材の育成などの活動を掲げた。神谷社長は「この柱を実現し、『心、おどる、デジタル』という社会づくりに貢献したい」と抱負を述べた。

 説明会ではこのほか、アドビが有するクラウドサービスによる顧客体験向上の取り組みとして、コンテンツの自動生成技術などが紹介された。(藤岡堯)