BlackBerry Japanが、セキュリティ事業の強化を図っている。米ブラックベリーは2019年、エンドポイントセキュリティ製品を提供する米サイランスを買収したことで、セキュリティ市場に本格参入。現在は、セキュリティの分野で製品とサービスの両方を展開している。吉本努社長は「ブラックベリーは携帯電話のイメージが強く、セキュリティ製品を提供していることを知らない企業が多い。積極的に販促活動に取り組み顧客獲得を目指す」と力を込める。
主力商材は次世代EPP(Endpoint Protection Platform)製品の「BlackBerry Protect」とEDR(Endpoint Detection and Response)製品の「BlackBerry Optics」。サイランスが提供していた製品をリブランディングして販売している。吉本社長は「最大の強みはすべての製品に『Cylance AI』を搭載していることだ。特に未知のマルウェアに対して高い検知率を誇る」と説明する。
吉本 努 社長
9月にZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)製品「BlackBerry Gateway」を発売した。「これまでカバーできていなかった通信に対するセキュリティを提供できるようになった。エンドポイント製品と組み合わせることで、ゼロトラストの概念に基づいたセキュリティ環境を構築できる」(吉本社長)。
最近では、侵害調査やセキュリティ診断、コンサルティングなどを行うセキュリティサービスの引き合いが増えている。「セキュリティ診断などは需要が高く、提案もしやすい。今後は、サービスをフックとした営業活動を推進していく」(吉本社長)という。また、12月10日からMDR(Managed Detection and Response)サービス「BlackBerry Guard」をサービスラインアップに追加。運用に不安を抱える企業のニーズに対応するとした。
販路については、サイランス時代のパートナーを引き継いだ。吉本社長は「当社のセキュリティ事業を認知してもらうには、販路を拡大させることが重要だ。そのためにも、パートナーの開拓に注力する」と語った。
(岩田晃久)