アステリアは、業務アプリのノーコード開発を普及促進させていくため、富士通の理事・首席エバンジェリストとして活動していた中山五輪男氏を5月12日付でCXO(最高変革責任者)首席エバンジェリストとして迎え入れた。中小企業ユーザーは、ITの専門人員や予算が限られているため、業務のデジタル化が遅れる傾向にあるとして、「手早く、費用をかけずに業務アプリの開発が可能なノーコード方式の普及促進によってユーザー企業の市場競争力や生産性の向上を支援していく」と、中山CXOは話す。
平野洋一郎社長(右)と中山五輪男CXO
具体的にはアステリアのノーコード開発ツール「Platio(プラティオ)」を軸に、「中小企業が日常的にアプリを開発して業務に役立てる文化を根づかせていきたい」(中山CXO)と、全国の中小企業の担当者が業務の効率化や生産性の向上に役立つアプリを自ら作成する機運を高める活動に注力する。中小企業は現場での仕事が多くを占めることから、Platioではスマホやタブレットに最適化した専用アプリ(ネイティブアプリ)の開発に特化している。既存の業務システムとのデータ連携も容易で、現場とバックオフィスの業務連携をシームレスに行えるようになる。
中小企業の現場担当者や自治体職員が自らの業務に最適なアプリを開発する用途だけでなく、ITベンダーの生産性向上にも役立てていく。5月6日にはPlatioで開発したアプリを外販できる仕組み「Platio One」をスタート。すでに食品衛生管理の記録アプリや茶農家向け栽培日誌アプリ、建設現場向け機材管理アプリなどの販売が始まっている。
ノーコード開発に対する需要は大きく、22年3月までの24カ月でPlatio事業の月間売上高が5倍に増えるなど急成長している。平野洋一郎社長は「ノーコード開発は日本のDXを救う」とし、陣頭指揮を執る中山CXOとともに中小企業の業務変革に役立ててもらえるよう普及促進に力を入れる。
(安藤章司)