大塚商会の大塚裕司社長は、8月1日の決算説明会で、本年度第2四半期(2022年1月~6月30日)の連結決算が減収減益となった一方、4月~6月期は4四半期ぶりに増収増益となったことについて「継続は力というか、ずっとやり続けてることがやっと実を結び始めた」と述べ、これまで進めてきた改革に一定の手応えを示した。
大塚裕司社長
大塚社長は、複写機の顧客を対象とした1企業当たりの商材数について、4月~6月期は4.34商材となり、前年同期の4.3商材を上回ったと説明した。21年10月~12月期以降、緩やかな増加が続いていることも示し「単品販売のコストセールスから、顧客に寄り添った複合提案に向けて変化の兆しが見えてきた」と話した。
同社では、顧客が多くの予算を抱える3月と6月は、得意とする複写機の販売に営業現場が力を入れる傾向があった。しかし、大塚社長は「本年度は、両月ともに全体の売上高に占める複写機の割合は若干、下がった」と解説。複写機の代わりに別の商材で売上高をカバーする動きがみられるとし、課題としてきた顧客起点の意識への転換が現場レベルで徐々に浸透していると評価した。
新規顧客の前年増減率では、4月~6月期は4.4%のプラスとなり、前年同期比6.6ポイント増と伸長。新型コロナ禍の第5波が直撃し、20.3%のマイナスと大きく落ち込んだ21年7月~9月期からの増加傾向を維持した。前の四半期で取り引きのあった顧客からの追加受注についても、4月~6月期は同比1ポイント増の31.8%となり、業績を後押しした。
大塚社長は、3月は期末の需要を多く獲得したものの、4月に勢いが失速し「判断を読み違えたかなという感じがあった」と明かした。ただ5月末ごろから再び上昇基調に転じ、「結果として期待値プラス若干ぐらいのところ」で着地したと総括。4月~6月期として売上高が過去最高を達成し、営業利益も前年同期比増となったことに一定の満足感を示した。
本年度第2四半期の連結決算は、「収益認識に関する会計基準」を適用していることもあり、売上高は前年同期比4.6%減の4453億3600万円、営業利益は7.4%減の307億7800万円、経常利益は7.3%減の317億4700万円、純利益は3.4%減の228億4800万円となった。一方、4月~6月期の売上高は3.5%増の2352億6700万円、営業利益は2.7%増の169億9300万円、経常利益は2.4%増の174億800万円、純利益は1.3%増の123億2900万円だった。(齋藤秀平)