SBテクノロジーは、「Microsoft 365」の利活用を支援する自社サービスブランド「clouXion（クラウジョン）」で提供しているメール誤送信防止サービス「Mail Safe」と「Mail Alert」の販売を強化している。メール誤送信による情報漏えいが後を絶たないことやPPAP（添付ファイルのZip暗号化送信）の廃止を目指す企業が増加しているため、安価で容易に対策を実装できる点を訴求し顧客獲得を目指す。

　同社は2009年からマイクロソフトのクラウドサービスの取り扱いを始め、1000社以上の導入を支援。「マイクロソフトジャパンパートナーオブザイヤー」を14年から22年まで連続で受賞するなど豊富な実績を持つ。

　そのノウハウを活用して18年に立ち上げたのがclouXionだ。認証・アクセス制御サービス「Online Service Gate」や「SharePoint Online 」「Microsoft Teams」上の社内ポータルサイトの運用を支援する「OnePortal Modern」などセキュリティと業務効率化を目的としたサービスで構成する。


　Mail Safeは、設定した条件により送信を拒否する「送信拒否」や「送信メールの一時保留」「上司承認」といった基本的な誤送信防止機能に加えて、「添付ファイルのWebダウンロード化」機能を提供するのが特徴だという。添付されたファイルはメールから切り離され、Mail Safe上に保存。元のメールにはダウンロードURLが自動挿入される。

　同社のサービス統括セールス＆マーケティング本部サービス・マーケティング統括部第2営業部の堀山雅充氏は「脱PPAP対策として有効な機能だ。クラウドストレージサービスを活用する方法もあるが、コスト面で（クラウドストレージの）導入が難しいSMB（中堅中小企業）も多い。安価で導入が容易なことをアピールする」と述べた。

　Mail Alertは、メール送信時に宛先確認や添付ファイルの確認などをポップアップ画面で表示する。設定したルールは社内メールにも適用が可能だとしており「社内メールにルール設定できるサービスは少ないため、大きな特徴となる」（堀山氏）という。Microsoft 365以外にも「Gmail」やオンプレミスのメールサーバーに対応する。

　価格はMail Safeが月額250円（1アドレス）、Mail Alertが月額100円（1ユーザー）。

　現在は、ユーザーがMicrosoft 365を導入する際に、clouXionを一緒に提案するケースが多いとしている。「clouXionの中でも認証とメールセキュリティは基本的なセキュリティ対策として最初に利用するお客様が多い。パートナーからも提案しやすい商材だと高い評価を得ている」と語る。

　堀山氏は「アンケート調査ではメールセキュリティに課題を抱え、今後、対策を強化すると回答した企業が多いため、積極的に販促していく」と展望した。

　同社は、MSS（マネージドセキュリティサービス）の提供も行っている。堀山氏は「clouXionとMSSで相乗効果を生み出せるような取り組みをしていきたい」と意気込みを述べた。
（岩田晃久）