オービックビジネスコンサルタント(OBC)は10月18日、中堅・成長企業向けのSaaS型ERP「奉行V ERPクラウド」を11月11日に発売すると発表した。「あらゆるサービス・データをつなぐ」をコンセプトに設定。パートナー経由で販売を進め、企業のDXを推進していく方針だ。
奉行V ERPクラウドは、コンセプトを実現するための新たなアプローチとして、企業の業務を支える「マネジメントサービス」を実装した。ワークフローなどの業務プロセスをコントロールする「プロセスマネジメント」や、ほかのサービスを含めてマスターデータの統合を実現する「マスタマネジメント」など、現時点では5種類を用意し、来年4月以降、順次提供する予定だ。
また、顧客の要望に合わせられるようにするため、広い業務範囲をカバーできる高付加価値版と、「勘定奉行 V ERPクラウド」などの製品ごとの販売が可能な単体版の商品モデルを用意した。高付加価値版は、会計業務を対象とする「奉行V ERPクラウド 会計 DX Suite」と、HR領域を対象とする「奉行V ERPクラウド HR DX Suite」がある。
同社は、奉行V ERPクラウドについても、ほかの製品と同じように「100%パートナービジネス」で販売を進める方針。具体的には、パートナーの商材を組み合わせたシステム連携を軸にしながら導入の拡大を狙う。
荒屋敷健史 次長
開発本部の荒屋敷健史・次長は「これまでは、サービス同士はつながっているとはいえ、どうしても個々の業務効率化にとどまっているのが現実だった」と指摘し、「奉行V ERPクラウドは、外部のサービスとつながることを前提としている。各業務のデータを活用し、未来に向けた経営判断ができるDXの実現を目指していきたい」と話す。
(齋藤秀平)